2021 Fiscal Year Research-status Report
リカバリー概念に基づく精神障害者の包括的な地域生活支援プログラムの開発
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19K11136
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
成田 太一 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (70570521)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 恵子 新潟大学, 医歯学系, 教授 (50300091)
関 奈緒 新潟大学, 医歯学系, 教授 (30270937)
村松 芳幸 新潟大学, 医歯学系, 教授 (80272839) [Withdrawn]
加賀谷 真梨 新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (50432042)
清水 智嘉 山梨県立大学, 看護学部, 助教 (80735621)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 精神障害者 / リカバリー / 地域生活 / 相互関係 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、地域で暮らす精神障害者のリカバリーを促進していくため、リカバリーの実態を当事者の視点から把握した上で、セルフケアやサポート、役割・社会参加などを包括的に捉えた生活支援プログラムを開発することを目的としている。2021年度は、COVID-19による調査活動の影響を踏まえ、一部調査計画を変更し、当事者と家族へのインタビュー調査を実施した。 当事者を対象とした調査では、長期入院を経験し地域で生活を送る精神障害者のリカバリーの実態を明らかにし、リカバリーに必要な要素や促進していくうえでの課題を当事者の視点から検討することを目的とした。対象は、過去に精神疾患により1年以上の入院を経験し、退院後6ヶ月以上地域で継続的に生活を送っている者で、2021年度は6名へのインタビュー調査を行い、分析を進めている。 家族を対象とした調査では、包括的な支援プログラムの開発に向け、精神障がい者の高齢の家族が当事者の将来の生活に対して抱く想いを明らかにすることを目的とした。対象は、過去に1年以上精神科病院への入院経験がある精神障がい者の家族(親、きょうだい)で65歳以上の者であり、2021年度は7名にインタビュー調査を実施し、分析を行った。分析の結果、当事者の地域生活に関する家族の想いとして【自立した生活への期待】や【何とかなる】といった前向きな想いがある一方、【自立した生活は難しい】【身近な支援者・相談相手の不足】【支援体制不足への不満】といった想いから【入院してくれていた方が安心】【本人の状態を考えると在宅は難しい】【家族がサポートするしかない】といった想いに繋がっていることが考えられた(【】は代表的なカテゴリ)。今後も分析を進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年度は、COVID-19の影響により研究活動の制限などはあったものの、対面でのインタビュー調査を実施することができ、研究を進捗させることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、インタビュー調査を継続するとともに、分析を進めその結果をまとめ、支援プログラムの検討を行うことを目指す。
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Causes of Carryover |
COVID-19の影響により、インタビュー調査の実施が遅れたため調査費用や分析にかかる支出が少なかったこと、予定していた学会等での情報収集・発表も、開催がオンライン等により旅費の支出がなかったことによる。残額については、翌年度の調査にかかる費用や、学会等での発表にかかる費用として使用する。
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