2022 Fiscal Year Research-status Report
高齢期の妻や親を介護する男性介護者世帯に対する災害時の健康管理と共助に関する研究
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19K11153
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Research Institution | Kinjo University |
Principal Investigator |
彦 聖美 金城大学, 看護学部, 教授 (80531912)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大木 秀一 石川県立看護大学, 看護学部, 教授 (00303404) [Withdrawn]
曽根 志穂 金城大学, 看護学部, 講師 (30381700)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 男性介護者 / 家族介護者 / 災害看護 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度は、地域住民に対する調査を実施した。調査期間2022年9月、B県A町の社会福祉協議会主催のセミナーに参加した地域住民21名に対する質問紙調査を実施した。A町は人口6,567人、うち老齢人口2,272人(34.6%)(以上2021年)、基幹産業は農業である。18名から回答を得た(回収率85.7%)。 男性介護者世帯に対する認識では、1)近所つきあいの程度は①生活面で協力しあっている0、②日常的に立ち話しをする程度のつきあいはしている6(33.3%)、③あいさつ程度の最小限のつきあいしかしていない7(38.9%)、④つきあいは全くしていない0、⑤知っている男性介護者が居ないので不明3(16.3%)、2)近所つきあいの人数では、①かなり多くの人と面識・交流がある(概ね20人以上)2(11.1%)、②ある程度の人との面識・交流がある(概ね5~19人)4(22.2%)、③ごく少数の人とだけと面識・交流がある(概ね4人以下)8(44.4%)、④隣の人がだれかも知らない0、⑤知っている男性介護者が居ないので不明2(11.1%)、3)民生委員とのつながりでは、①相談など、非常に密な関わりがある1(5.6%)、②外でも、あいさつや立ち話しをする程度のつきあいはしている5(27.8%)、③訪ねてきたら話すくらいの最小限のつきあいしかしていない5(27.8%)、④つきあいは全くしていない2(11.1%)、⑤知っている男性介護者が居ないので不明3(16.7%)であった。 結論として、男性介護者世帯に関しては、近所づきあいが全くないとは認識していないが、民生委員との交流は希薄と捉えている様子が伺えた。また、男性介護者世帯だけでなく、介護者世帯全体に対する支援の必要性も挙げられた。日頃から、防災対策支援に取り組むことをきっかけに、近所づきあいや民生委員との交流を促進していくことが重要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の目的は、男性介護者世帯に対する災害時に向けた健康と危機管理、防災に対する準備状態を①男性介護者(当事者)自身、②保健・医療・介護領域の専門職支援者、③地域住民の3側面から量的・質的に把握し、男性介護者との共助の在り方を検討することである。 令和4年度は、新型コロナ感染症の感染状況を鑑みながら、③の地域住民に対する対面でのイベントにおける調査が実施できた。しかし、すべての結果を統合してまとめ、男性介護者に対してフォードバックする時間が持てなかったため、再度延長を申請した。これまで得られた実態把握調査を統合して分析し、必要な情報を男性介護者や必要な機関や専門職者に向けて発信できる準備は整っており、調査研究の目的達成と研究全体の遂行に関して問題は生じていない。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の目的は、男性介護者世帯に対する災害時に向けた健康と危機管理、防災に対する準備状態を①男性介護者(当事者)自身、②保健・医療・介護領域の専門職支援者、③地域住民の3側面から量的・質的に把握し、男性介護者との共助の在り方を検討することである。令和5年度は、これまで実施してきた複数の調査を統合して分析し、その結果を再度当事者である男性介護者にフィードバックして、最終的な男性介護者世帯に今後必要な支援についてまとめる予定である。 これまでの結果をまとめ、国際学会や公衆衛生関連及び在宅ケア関連の学会や学術雑誌において公表していく。
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Causes of Carryover |
(理由)新型コロナ感染症の長期的な予防対策により、予定していた各調査の統合及び成果の報告が出来ず、調査実施やイベント実施に係る経費、分析、成果報告に関して、次年度へ繰り越す使用額が生じた。 (使用計画)令和5年度は、①男性介護者(当事者)、②保健・医療・介護領域の専門職支援者、③地域住民に対する調査の統合・分析、論文化と学会における報告等の成果報告、報告書の作成・印刷等に係る経費やアルバイト謝金、および調査結果を踏まえた男性介護者に対するフィードバックのための経費を予定している。
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