2022 Fiscal Year Annual Research Report
医療費シミュレーションおよび利用者の主観的評価からみた訪問看護利用の効果
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19K11184
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
新田 紀枝 武庫川女子大学, 看護学部, 教授 (20281579)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 訪問看護 / 医療費 / 主観的評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究協力の同意を得た訪問看護利用者とその家族に半構成質問によるインタビューを行い、研究協力者の許可を得て録音を行った。音声データから逐語録を作成し、逐語録を質的記述的に分析した。 結果、訪問看護サービスを利用することによる身体面の評価では、①体調や皮膚創傷など些細な変化を見逃さず、必要な医療ケアにつなげてもらえる、②体調が悪くなったときに電話で相談ができ、必要時に訪問に来てもらえる、③症状コントロール、福祉用具などの助言・指導をさきどりでしてくれるなどが抽出された。 心理・精神面の評価では、①利用者は家族以外の人と会話ができる、家族は利用者と会話をしてくれる、②訪問時以外でも、いつでも相談できるので安心、③定期的な訪問のため、孤独死の不安がなくなるなどが抽出された。 訪問看護サービス利用前に症状コントロールが難しかった利用者であっても、訪問看護サービスが導入され、訪問看護師が状態に応じて緊急対応をすることにより、症状が安定し、入院せずに在宅療養を続けることができる利用者がいた。また、緊急入院をしても、訪問看護師が早期に対応して入院となっているため、利用者は早期に退院することができていた。 訪問看護サービスを利用することにより、利用者の症状を安定させる一助となり、また異常があった場合には、訪問看護師によって症状を早期に発見し、早期に対応がされることにより、長期に入院することがなく、医療費の削減に寄与していることが明らかとなった。
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