2022 Fiscal Year Research-status Report
認知症高齢者の日常生活支援におけるアドボカシー実践向上プログラムの実施と評価
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19K11252
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Research Institution | Konan Women's University |
Principal Investigator |
山地 佳代 甲南女子大学, 看護リハビリテーション学部, 准教授 (80285345)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長畑 多代 大阪公立大学, 大学院看護学研究科, 教授 (60285327)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 認知症 / アドボカシー / 高齢者施設 / 日常生活支援 / 非ランダム化比較試験 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、介入研究において実施した質問紙調査における自由記述内容、研修会における発言内容、個別面接調査内容、管理職への個別面接調査内容の分析を実施した。研究協力施設周辺での新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、研究協力施設および研究対象者の負担を考慮したためメンバーチェッキングの計画実施が遅れ、分析方法の再検討を実施し、それぞれのデータを質的帰納的に分析した。 研修会では参加者が研修会参加以前から行っていたアドボカシー実践15項目や研修会参加以降に取り組んでみた実践8項目、研修会以降に意識をするようになった実践4項目について発表され、アドボカシー実践について困っていることやモヤモヤしていることなど9つのテーマについて、共有や意見交換がなされていた。 研修群参加者への個別面接調査では、【アドボカシー実践への取り組み】に関して「アドボカシーガイドラインを活用して自分の実践を見直した」「グループワークの意見を参考にアドボカシーを実践し成功した」など5カテゴリー、14サブカテゴリー、21コードから構成された。また【アドボカシー実践の困難さ】に関して「アドボカシーを実践するうえで難しさがある」「グループワークの意見を参考にアドボカシーを実践して失敗した」など4カテゴリー、8サブカテゴリー、12コードから構成された。また、【コロナの影響】として「研究参加への影響」「アドボカシー実践への影響」の2カテゴリー、5サブカテゴリー、8コードが挙げられた。 上記の質的データ分析結果を主要アウトカムである認知症高齢者の権利を守る日常生活支援尺度データと共に分析し、アドボカシーガイドラインの効果的な活用方法に関する総合考察を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症拡大によって介入研究を一時中断した。しかしその後の感染拡大状況をみながら研究協力施設との調整や介入方法、分析方法の再検討を重ね、介入期間の延長や介入方法の一部変更はあったものの介入を再開することができ、分析方法も再検討を行ったことで結果の分析を進めることができたため、進捗状況としてはやや遅れている状況となった。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は量的データおよび質的データの結果分析をふまえた総合考察までをまとめて、本研究で明らかになった高齢者施設で暮らす認知症高齢者の日常生活支援におけるアドボカシー実践の向上に効果的な方法について、国内および国外の学会へ報告する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症拡大に伴う研究方法の変更によって研究データ分析が遅れたため研究報告のための支出が減じた事や、情報収集のための学会への参加がオンライン開催となったことから旅費の支出が減じたことによる。次年度は研究成果をまとめて国内および海外に報告するための専門的知識の提供やデータ整理補助、通信費や旅費などに充てる計画である。
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