2019 Fiscal Year Research-status Report
特発性肺線維症の局所酸化ストレスマーカーを用いた呼吸リハビリテーション手法の開発
Project/Area Number |
19K11390
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
関川 清一 広島大学, 医系科学研究科(保), 准教授 (30363055)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬屋原 康高 広島都市学園大学, 健康科学部, 講師(移行) (60746395)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 特発性肺線維症 / 呼吸リハビリテーション / 運動機能 / 身体活動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、特発性肺線維症に対する呼吸リハビリテーション(以下、呼吸リハ)の効果検証を行った。新規に診断された外来通院中の特発性肺線維症患者5名を対象に、12週間の呼吸リハを展開した。リハビリテーション開始にあたり、息切れスケール(mMRC)、健康関連QOL(SGRQ)の聴取を行い、運動機能(6分間歩行距離(6MD)、30秒間椅子立ち上がり回数(CS30)、5回椅子立ち上がり時間(5STS)および膝伸展筋力)を計測した。さらに対象者には1週間、活動量計(HJA-750C・オムロン)を装着してもらい、在宅での活動量を計測した。6分間歩行テストの結果から運動処方の作成を行い、呼吸リハプログラムを立案した。在宅での呼吸リハの方法は、専用日記を使用して指導し、実施状況を確認した。呼吸リハ評価は、開始前、12週間実施直後および呼吸リハ終了12週間の合計3回実施した。その結果、呼吸リハによって、運動機能が向上し(前→後、CS30;14.6→17.8、5STS;9.4→8.3、6MWD;462→509)、息切れ(mMRC1.8→0.8,前→後)、およびSGRQ(37.1→33.6)の改善を認めた。さらに、呼吸リハによって坐位行動時間の減少と、軽度および中程度から活発な身体活動時間の増加を示し、日常生活の中で歩行活動増加を認めた。リハ終了12週間後の評価において、リハ開始値に戻ることなく、運動機能向上の維持、息切れの軽減を認めていた。以上の結果より、12週間の呼吸リハビリテーションが運動機能さらには息切れの軽減、健康関連QOLの改善に効果を認めることが明らかとなり、本効果指標を加味し、局所酸化ストレスストレスマーカーの研究を展開する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本年度は、特発性肺線維症に対する呼吸リハビリテーション(以下、呼吸リハ)の効果検証を行った。これは当初の研究の目的および研究計画の進行を達成することができた。また、本研究を推進するための測定・解析機器の準備ならびに対象者の選定方法はすでに完了している。しかし、特発性間質性肺線維症者の局所酸化ストレスマーカーの検証を加えての効果検証は途中であり、研究成果をまとめるまでには至っていない。さらに、当初の研究計画のとおりの健常高齢者の局所酸化ストレスマーカーの基礎研究は、すでに倫理承認を受け、研究開始の準備は整っているが、対象者への測定には至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究を推進するための測定・解析機器の準備ならびに対象者の選定方法はすでに完了している。よって研究活動の制限が解除された時点で可及的速やかに、特発性肺線維症者ならびに健常高齢者を対象にした研究活動を推進する。
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Causes of Carryover |
本年度は、健常高齢者ならびに特発性間質性肺線維症者の局所酸化ストレスマーカー解析までに至らなかった。よって、マーカー解析のための試薬等の購入が次年度生じた。 解析試薬の購入を行い、解析を進める。 研究成果公表のための学術論文校閲をすすめる。
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