2020 Fiscal Year Research-status Report
特発性肺線維症の局所酸化ストレスマーカーを用いた呼吸リハビリテーション手法の開発
Project/Area Number |
19K11390
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
関川 清一 広島大学, 医系科学研究科(保), 准教授 (30363055)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬屋原 康高 広島都市学園大学, 健康科学部, 准教授(移行) (60746395)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 特発性肺線維症 / 呼吸リハビリテーション / 高齢者 / 運動機能 / 身体活動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、特発性肺線維症に対する呼吸リハビリテーション(以下、呼吸リハ)の効果判定の指標となる身体活動の基礎検証と高齢者に対する身体活動指標の検証を実施した。 本研究では、高齢者において3軸加速度計から推定された低運動強度の妥当性を携帯型呼気ガス分析で測定した運動強度と比較検討した。対象は、11名の地域在住の高齢者(86.9±7.2歳)とし、身の回り動作として、タオルたたみ、洗濯物干し、モップ掛けを遂行し、その際の運動強度を3軸加速度計と携帯型呼気ガス分析器で測定した。その結果、3軸加速度計から得られた推定METsは、系統誤差なく妥当性の高い計測が可能であることが示唆された。したがって、3軸加速度計は、日常生活活動が自立している高齢者において低い強度の身の回り動作における運動強度を正確に推定することが可能であることが示唆された。 さらに本年度は、身体活動質問票の本研究での有用性について検証した。身体活動質問票には、国際標準化身体活動質問票(IPAQ) と、より少ない項目数で場面別(仕事・移動・余暇)の評価が可能な世界標準化身体活動質問票(GPAQ)がある。2つの質問紙法から得られる身体活動量を比較することで、質問紙法から得られる身体活動量評価の課題を明らかにすることを目的とした。地域在住の65歳以上の高齢者20名(男性7名、女性13名)を対象とした。IPAQ短縮版とGPAQを用いて1週間の身体活動量をそれぞれ調査した。その結果、中強度身体活動量および高強度身体活動は、2群間に有意差を認めなかったが、GPAQによる総身体活動量が、IPAQ短縮版による数値より有意に低値を示した。このことから今後は、質問紙評価方法の違い与える影響を検討していくことが必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本年度は、特発性肺線維症に対する呼吸リハビリテーション(以下、呼吸リハ)の効果判定の指標となる身体活動の基礎検証と高齢者に対する運動機能の検証を実施した。 これは当初の研究の目的および研究計画の進行を達成することができた。本研究を推進するための測定・解析機器の準備ならびに対象者の選定方法はすでに完了しているが、新型コロナ感染症の影響により、特発性間質性線維症者の局所酸化ストレスマーカーの検体採取が困難となり、研究成果をまとめるまでには至っていない。さらに、当初の研究計画のとおりの健常高齢者の局所酸化ストレスマーカーの基礎研究は、すでに倫理承認を受け、研究開始の準備は整っているが、研究協力施設の意向により対象者への検体採取によるマーカー解析には至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
研究協力機関での検体収集が可能となった時点で可及的速やかに対応するために、医療機関医師ならびに理学療法士との連携を強化する。さらに、取り扱い試料の変更や研究データ収集方法を研究協力機関と協議をすすめ、研究を迅速に進める対策を講じる。 本年度の中間までには臨床医学データ、検体試料の収集および分析を終了し、成果を公表する。
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Causes of Carryover |
基礎検証を目的とした研究は、効果検証は途中であり、研究成果をまとめるまでには至っていない。さらに、当初の研究計画のとおりのすでに倫理承認を受け、研究開始の準備は整っているが、新型コロナ感染症対策のために対象者への測定には至っていない。よって、健常高齢者ならびに特発性間質性肺線維症者の検体採採取困難の結果、局所酸化ストレスマーカー解析までに至らなかった。よって、マーカー解析のための試薬等の購入が次年度生じた。解析試薬の購入を行い、検体の収集と解析を進める。 研究成果公表のための学術論文校閲をすすめる。
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