2019 Fiscal Year Research-status Report
傍脊柱筋におけるIL-6,TNFα,PGC-1αの発現と腰椎後弯、背筋運動の関連
Project/Area Number |
19K11410
|
Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
工藤 大輔 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (90722893)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮腰 尚久 秋田大学, 医学系研究科, 准教授 (90302273)
本郷 道生 秋田大学, 医学部附属病院, 講師 (50375250)
粕川 雄司 秋田大学, 医学部附属病院, 講師 (60375285)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 腰椎変性後弯症 / 背筋力 / 加齢性筋肉減少症 / PGC-1α / IL-6 / TNF-α / インピーダンス法 |
Outline of Annual Research Achievements |
腰椎変性後弯症(以下後弯症)は,高齢者の転倒,quality of life (QOL)の低下を引き起こす原因となっている.特に姿勢の保持には背筋群が重要であり,三次元脊椎モデルを用いた解析では,背筋力の低下が後弯変形を増強させることがわかっている.そのため,背筋力の低下を予防することは高齢者のQOLを維持するために重要と考えられる.近年,筋が脂肪に置き換わるという機序の一つに加齢や運動不足による遺伝子転写補助因子PGC-1αの発現の減少,筋からの炎症性サイトカイン(IL-6,TNF-αなど)の産生の増加などが報告され,PGC-1αと加齢性筋肉減少症との関連が示唆されている.予備実験では,後弯群における傍脊柱筋で有意にIL-6やTNF-αなどの発現が増加しているとの結果を得た.しかし,予想に反して後弯の増加とともにPGC-1αの発現が増加する傾向にあり,後弯変形にともなう背筋の活動性増加による二次的な変化の可能性があると考察した.ただし,症例数が少ないため今後さらなる検討が必要と思われた.本研究では,傍脊柱筋中のPGC-1α,炎症性サイトカインを測定し,背筋の組織学的評価とともに,後弯症の発症因子,重症度,進行度との関連を明らかにすることを目的とした.また運動習慣や背筋運動との関連についても検討することとした.筋肉量の推定には,Dual-energy X-ray absorptiometry (DXA)法とインピーダンス法の2種類に大別され,当初,機器を保有している前者での計測を予定していたが,機器の故障により後者での測定を行う方針とし,新計測機器のデモンストレーションを行った.また機器購入に伴い,研究全体にかかる費用の見直しや倫理委員会申請の見直しなどを行い,脊椎疾患患者の本研究への参加を募る予定としている.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
筋肉力を当初、現有機器も用いてDual-energy X-ray absorptiometry (DXA)法で測定する予定であったが、機器が故障し、再開のめどがたたないことからインピーダンス法で計測する方針に変更した。機器の変更に伴い、計測機器の選定、デモンストレーションによる試用が必要となった。.また新機器購入に伴い、研究全体にかかる費用の見直しや倫理委員会申請の見直しなどが必要となった。人事異動により、当初予定されていた研究の継続が困難になった。
|
Strategy for Future Research Activity |
前職に復帰する予定のため、予定の研究を再開する予定です。本研究では、主に待機できる予定脊椎手術患者さんを対象とするため、手術件数、緊急性の有無等により研究の参加者が左右されますが、通常の診療の範囲内で手術適応の患者さんがいた場合は、引き続き本研究の説明を行い、参加者の募集を図ます。
|
Causes of Carryover |
当初予定していた筋肉量の測定機器が故障し、再会のめどがたたないことから、代用機器の選定、デモンストレーションを行い、全体的な費用の見直しも行いました。また人事異動に伴い、予定研究が一時中断したため、次年度使用額が生じています。今後、前職に復帰し、予定どおりの研究を再開する予定です。
|