2021 Fiscal Year Annual Research Report
軽度認知障害・軽度認知症本人が「幸せに生きていく」ことを支える支援に関する研究
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19K11432
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Research Institution | Tokyo Dementia Care Research and Training Center |
Principal Investigator |
牧 陽子 社会福祉法人浴風会認知症介護研究・研修東京センター, 研究部, 研究員 (60642303)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
服部 英幸 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 病院, 医師 (00298366) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 認知症 / 軽度認知障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度は軽度認知障害(MCI)・軽度認知症者及び家族への介入を実施する予定としていたが、新型コロナの感染拡大により介入は未実施となった。そこで、令和元・2年度の調査・介入結果のケース発表を行い、介入の結果を踏まえて、軽度認知障害・軽度認知症本人が「幸せに生きていく」ことを支える支援の在り方に関して総括を行った。 Maki et al., Psychogeriatrics, 2021:21(4) 596-604 では認知症本人・家族・医師の三者の認知症治療への考え方が必ずしも一致していないことが示された。当調査は医師の回答が151に対して認知症者本人・家族の回答はそれぞれ27、24で、統計解析は出来ずに記述報告を行ったが、治療法の未開発の認知症治療では医師・患者関係が重要であり、今後、さらなる調査・支援法の開発の必要性を示唆している。 今年度は総括として、Maki, Nakamura. Ann Alzheimers Dement Care, 2022;6(1):001-006でCo-beneficial relationship-based care for persons with dementia:互恵の関係性に基づく認知症ケアを総説として示した。認知症は自立が障害される疾患であり他者との互恵の関係性が進行とともに重要となっていくと考えている。MCI・軽度認知症の段階では、認知症発症・進行予防が強調され、認知機能向上を目的とする介入が強調されるが、多くの認知症の原因疾患は進行性であり、予防とともに、進行を見据えた準備も必要となる。本稿では、認知症を生活の障害としてとらえて、言語で意思を表明し協議をすることのできる段階で、家族、医療者、その他、関わりを持つ人との関係性を生活に即して構築していくことの重要性を論じた。
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Research Products
(5 results)