2019 Fiscal Year Research-status Report
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19K11523
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
杉浦 崇夫 山口大学, 教育学部, 教授 (80136150)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮田 浩文 山口大学, 大学院創成科学研究科, 教授 (90190793)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 酸化ストレス / 筋肥大制御 / 低酸素 / 抗酸化食 / 一酸化窒素 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、若齢期と高齢期のマウスを用い、酸化ストレスを抗酸化物質あるいは窒素負荷による低酸素刺激により制御し、機能的過負荷による筋肥大への影響を筋線維増殖に関わる分子のmRNA発現量を中心に比較検討することである。2019年度は、若齢(8週齢)マウスについて検討した。マウスを対照(Cont) 群、腱切除(FO)群、低酸素腱切除(LO2FO)群およびアスタキサンチン腱切除 (AxFO) 群の4群にグループ分けした(各群8-9匹)。Cont群を除く3群には両足の腓腹筋のおよそ1/3を切除し、足底筋とヒラメ筋に機能的過負荷を負荷した。また、LO2FO群は腱切除後、低酸素(5%N2付加により16%O2)環境下で1週間飼育した。低酸素環境は酸素濃度をモニターしながら窒素量を自動的に調節付加するシステムでおこなった。さらに、AxFO群は腱切除1週間前より0.04% Asx食で飼育した。腱切除およそ1週間後に両足の足底筋 (PLA)とヒラメ筋 (SOL) を摘出した。 現在までに得られている結果は、以下の通りである。 PLAでは、FO群、LO2FO群、AxFO群の筋重量ならびに相対的筋重量は、いずれもCont群よりも有意に高い値であった。また、FO群とLO2FO群の相対筋重量は、AxFO群よりも有意に高い値であった。SOLにおいてもFO群、LO2FO群、AxFO群の筋重量ならびに相対的筋重量は、いずれもCont群よりも有意に高い値であった。加えてSOLでは、LO2FO群の筋重量と相対的筋重量はFO群ならびにAxFO群よりも有意に高い値であった。 これらの結果は、速筋では抗酸化剤摂取により筋肥大抑制がみられるという先行研究の結果を確認するとともに、遅筋では低酸素状況下での筋肥大促進が観察され、筋種により反応が異なることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
マウスの腱切除手術が思うようにいかず、必要なサンプル数を得るのに手間取ったため、mRNAの分析が遅れてしまった。現在、mRNAの分析に取り組んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り、2020年度は高齢マウスについて2019年度と同じ方法で実験する。現在、高齢マウスの実験を行うべく、マウスを飼育中である。10月中旬まで飼育し、その後、実験を行い得られた結果について検討する。
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Causes of Carryover |
(理由) 当初予定していた物品費が約20000円不足したが、旅費の執行が当初予定していた予算額よりも少なかったことにより次年度使用額が生じた。 (使用計画) 今回生じた次年度使用額を2020年度予算に加え、消耗品(試薬代)に充て使用する。
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