2023 Fiscal Year Annual Research Report
小中学校における成長発育期運動器機能障害に対する介入プログラム
Project/Area Number |
19K11572
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
鎌田 浩史 筑波大学, 医学医療系, 講師 (60518801)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮川 俊平 筑波大学, 医学医療系, 教授 (10200130)
白木 仁 筑波大学, 体育系, 教授 (90206285)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 運動器検診 / 小中学生 / 運動器機能障害 / 経年変化 / トレーナー / ストレッチ |
Outline of Annual Research Achievements |
運動器疾患の早期発見、治療を行うとともに、運動器機能不全から起こる大きな障害を防ぐことを目的として研究を実施した。 #1:継続した運動器検診の実施:人口22万人程度の中核都市で統一した運動器検診を2万人を超える生徒に継続して実施できた。折しもCovid-19拡大の影響もあり検診が十分にできない期間があったものの、6年間の縦断的なデータを解析した。身長データを用いて個人の身長成長速度曲線を推測し、しゃがみ込み不全が初発する発育Phaseを調査した。対象男子371人、女子209人のうち、しゃがみこみ不全を認めた生徒は103人(27.8%)、37人(17.7%)であった。初発する発育Phaseの内訳はPhaseⅠ~Ⅲの順に、男子は13.6%、58.3%、28.2%、女子は2.7%、29.7%、67.6%だった。しゃがみ込み不全が発生しやすい発育Phaseは男女で違いが見られ、初発最多Phase群の子どもは男女ともに早熟の傾向が見られた。発育の経過を追跡することで発生の予測予防につながる可能性があることが示された。 #2:障害予防プログラムの実施:モデルを設定し、6年生の生徒に対して週1回、11回ストレッチ教室を実施した。その結果、男子の立位体前屈の値は向上し、女子は低下した。教室の実施前後で立位体前屈0cm未満の者の割合は男子で改善傾向を示したが、女子では0cm未満の者が増える結果となった。前回よりも記録が向上した者が43.1%いた。クラスや男女によって効果の違いが見られたことについては、児童の保健体育に対する意欲と、プログラム内容が影響した可能性が考えられた。今回は、過去の実施プログラムと異なり、児童が定期的かつ簡易的に実施できることを目的として一人で行うセルフストレッチを主体にプログラムを実施したためか、向上はしているものの、思うような成果が得られなかった。今後、児童の運動意欲や運動習慣、嗜好などとの関連を検討した上で、より小学生に適したプログラム開発を進めていく必要がある。
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