2019 Fiscal Year Research-status Report
運動遊びは幼児期の脳機能に影響する。ストレス反応および実行機能に注目した実証研究
Project/Area Number |
19K11588
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Research Institution | Kyoto University of Advanced Science |
Principal Investigator |
満石 寿 京都先端科学大学, 健康医療学部, 准教授 (30612915)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ELISA法 / Cube Reader法 / 日内変動 / 一過性作業課題 / 唾液中コルチゾール / 妥当性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、一般の日本人大学生を対象とし、(研究1)日内変動(起床直後、起床30分後、11時、14時、17時)および(研究2)vにおいて唾液中コルチゾールをELISA法およびCube Reader法を用いて分析し、Cube Reader法の妥当性の検証をぞれぞれにおいて行なった。 その結果、日内変動に関しては、ELISA法およびCube Reader法おいて起床30分後の値が起床直後、11時、14時、17時の値と比較して有意に高く、17時に向かうにつれて値が小さくなることが示されたことから、唾液中コルチゾールの分泌特性を反映していたと考えられる。すなわち、本研究で得られた日内変動の結果は従来の唾液中コルチゾールの日内変動を示した結果を支持するものであった。また、全ての測定時間においてELISA法とCube Reader法の間には有意な差は認められなかったことや有意な正の相関係数および回帰係数が得られたことは、Cube Reader法が従来のELISA法と同様に唾液中コルチゾールの日内変動を評価する一つの手法として用いることができることを示唆した。 一過性作業課題に関しては、ELISA法およびCube Reader法ともに一過性お手玉課題後の唾液中コルチゾールが、課題前と比較して有意に増加した。また、一過性お手玉課題前後それぞれにおける唾液中コルチゾールに対してELISA法とCube Reader法との間に正の相関関係および回帰係数が認められた。このことから、Cube Reader法が従来のELISA法と同様、一過性課題によるコルチゾールの変化を確認できる一つの手法であることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウィルスに伴い、当初予定していた幼稚園、保育園における研究が遂行できなくなったものの、対象者が少なくはなるが、大学内の教職員の家庭や一般家庭に調査を依頼し、研究の遂行を行なっている。特に、新型コロナウィルスに伴う緊急事態宣言中から解除に向けた時期において、データを採取した点においては、対象者数が少ないものの有効なデータとなると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、身体活動量・体力向上を目的とす る運動遊びプログラムを開発し、その効果検証を行う。その評価項目には身体活動量、実行機能、ストレス反応 を用いる。なお、プログラムは、幼児教育・運動遊びの専門家である勝山翔太氏(幼稚園教諭、幼少年体育指導士)に加えて、これまでに小学生対象の定期的なスポーツ教室、幼稚園児に対する運動遊び指導の経験があり、運動の発育発達のみならず、幼児からジュニア期の発達段階の特徴を熟知している前田奎 (京都先端科学大学 教育開発支援センター 講師)、松木優也(京都先端科学大学 教育開発支援センター 講師)に研究協力者として加わっていただき、保育現場で実行可能で、その後幼児本人や保育で応用・展開が可能なものを検討する。
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Research Products
(1 results)