2021 Fiscal Year Research-status Report
幼児から小学生における走運動および投運動の学習指導に関する研究
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19K11616
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
加藤 謙一 宇都宮大学, 共同教育学部, 教授 (00177437)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 育斗 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (90779026)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 幼児 / 走動作 / 発達バイオメカニクス |
Outline of Annual Research Achievements |
幼児の走動作の発達に関する研究は、体力・運動能力の水準が高かった1985年以前のものが多く、2000年以降の幼児を対象としてその特徴や性差を明らかにしたものは少ない。本研究では幼児の走能力および走動作をキネマティックな観点から分析し、先行研究をもとに1970年代の幼児と比較して、現在の幼児の走能力および走動作の特徴を明らかにしようとした。対象となった幼児は5歳児(44名)であった。 先行研究をもとに、5歳児について,本研究の幼児と1979年の幼児の値を比較し、明確な差が認められたものは,支持時間(男児;0.155 s vs 0.127 s,女児;0.115 s vs 0.138 s),非支持時間(男児;0.081 s vs 0.119 s,女児;0.086 s vs 0.116 s)および跳躍比(男児;0.53 vs 0.94,女児;0.54 vs 0.84)であった.支持時間は,本研究の幼児の方が1979年幼児よりも長い傾向であり,反対に非支持時間および跳躍比は,本研究の幼児の方が1979年幼児よりもそれぞれ小さい値であった.これらの違いは,幼児の走動作は本研究の幼児の方が1979年の幼児よりも支持時間が長く,非支持時間が短いことを示唆している.とくに跳躍比の本研究の幼児は1979年幼児の男女それぞれ57 %,65 %であった. また,本研究の幼児と1979年幼児の走能力の男女差をみたところ,1979年の幼児の男女間には有意な差があったのに対し,本研究の幼児の男女間には明確な差が認められなかった.このことから,本研究(現在)の男児の走能力は,女児に近いものになっていることが考えられ,1979年男児よりも走動作が低下していることが推察された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究3年目を迎え、走運動および投運動の分析をそれぞれ実施することができている。しかし、まだ、データ整理等を行う必要があるので継続的に行っていきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度もコロナ禍にあり、確実に研究が保証はないが、できる限り計画的に進めたいと考えている。
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Causes of Carryover |
コロナ感染防止のため、計画された研究を進めることはできなかったことがあるが、複数年による計画を立案しているため、次年度以降に研究を行うことで進めていきたい。
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