2019 Fiscal Year Research-status Report
高感度新規胆汁酸分析法を用いたNASH肝線維化に関わる胆汁酸種の解明
Project/Area Number |
19K11653
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Research Institution | Kinjo Gakuin University |
Principal Investigator |
浅野 友美 金城学院大学, 生活環境学部, 講師 (90637951)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
那須 民江 中部大学, 生命健康科学部, 特任教授 (10020794)
石井 晃 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (30252175)
北森 一哉 金城学院大学, 生活環境学部, 教授 (80387597)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 胆汁酸 / capillary LC/MS/MS / 肝臓 / NASH |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、capillary LC/MS/MS(cLC/MS/MS)による胆汁酸分析の分離条件の最適化を行った。当初、nano LC/MS/MSでの胆汁酸測定を予定していたが、カラム圧や分析時間を考慮し、LC部はカラム径をわずかに太くしたcapillary LCを用いて分析条件の設定をし直した。 アセトニトリルベースの移動相を用いた際には、ウルソデオキシコール酸とヒオデオキシコール酸、およびそれらのグリシン、タウリン抱合体、ケノデオキシコール酸とデオキシコール酸が共溶出していたが、10mM酢酸アンモニウム含有メタノールを用いることで、28種類の胆汁酸を60分で分析可能であった。検量線は0.5-200ng/mLの範囲で良好な直線性を示し、各胆汁酸の検出下限は0.2-2.1ng/mL、定量下限は0.5-5.9ng/mLであり、既報と比較し最大50倍の高感度化が達成された。また、日内および日間の確度はそれぞれ83.7-106%、88.9-116%であり、精度は0.8-9.8%RSD、2.1-11%RSDと、概ね±20%以下と良好で、高い再現性を有する分析法であることが示された。 本法をコントロールおよび非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)発症ラットの肝臓に適用したところ、両者の明確な胆汁酸プロファイルの差を捉えることができたことから、cLC/MS/MSによるラット肝臓中胆汁酸の分析は実用性の高い分析法であることが確認された。 今後のNASH線維化に関わる胆汁酸種を明らかにしていく上で、本法による胆汁酸プロファイル分析は有益であると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
胆汁酸分析装置をnano LC/MS/MSからcLC/MS/MSに変更したが、cLC/MS/MSでも高感度かつ再現性の高い胆汁酸分析が可能であり、実際のラット肝臓を用いた分析も当初予定通り進めていけると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度最適化したcLC/MS/MSによる胆汁酸分析法をラット肝臓に適応していく。 高脂肪・高コレステロール(HFC)食の摂取により、NASH病態を示すSHRSP5/Dmcrに加え、同食餌の摂取により肝線維化の重症度の異なる系統基ラットであるSHRSPおよびWKYを飼育し、3系統ラットの肝臓中胆汁酸を測定する。
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Causes of Carryover |
分析に必要な消耗品類は一部既存のものを使用したため、物品費として874円が次年度使用額となった。2020年度の物品費として試薬や分析に必要なチューブ等の購入費に充てていく予定である。
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Research Products
(1 results)