2022 Fiscal Year Annual Research Report
高感度新規胆汁酸分析法を用いたNASH肝線維化に関わる胆汁酸種の解明
Project/Area Number |
19K11653
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Research Institution | Kinjo Gakuin University |
Principal Investigator |
浅野 友美 金城学院大学, 生活環境学部, 講師 (90637951)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
那須 民江 中部大学, 生命健康科学部, 客員教授 (10020794)
石井 晃 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (30252175)
北森 一哉 金城学院大学, 生活環境学部, 教授 (80387597)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 胆汁酸 / ラット肝臓 / NASH |
Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度は、高脂肪・高コレステロール(HFC)食の摂取により①重度の肝線維化を示すSHRSP5/Dmcrラット、②軽度の肝線維化を示すSHRラット、③これらの系統基でありHFC食の摂取により肝線維化を殆ど示さないWKYラット、これら3系統ラットの肝臓中胆汁酸組成の解析を実施した。 3系統ともHFC食の摂取により、グリシン抱合型胆汁酸の増加とタウリン抱合型胆汁酸の減少を示した。特に、重度の肝線維化を示すSHRSP5/Dmcrではタウリン抱合型胆汁酸が低値であった。また、肝線維化を発症していないコントロール食の肝臓を比較すると、系統基のWKYと比較し、SHRSP5/DmcrおよびSHRは遊離型胆汁酸が高値の傾向にあった。 グリシン抱合型胆汁酸はタウリン抱合型胆汁酸と比較し毒性が高い。また、これまでの研究で、SHRSP5/Dmcrは胆汁酸排泄に関与するたんぱくの発現が低いことが示されている。WKYからSHR、SHRSP5/Dmcrへの亜系統化の過程で、肝臓への胆汁酸蓄積およびHFC食摂取によるグリシン抱合型胆汁酸の合成・蓄積されることがNASH進展に関与していると考えられた。 本研究課題では、capillary LC/MS/MSによる高分離かつ高感度な分析方法を構築し、本法を用いて3系統ラットの胆汁酸プロファイリング分析を行った。3系統ラットの比較を行うことで、肝線維化発症や重症化に関わる胆汁酸種や組成との関連を明らかにした。NASHの予防や早期診断、重症化予防のための食事法や診断方法開発の一助となるよう、更なる詳細な解析を実施する。
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