2020 Fiscal Year Research-status Report
フレイル予防に向けた栄養改善と運動器の機能向上の複合介入セルフプログラムの開発
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19K11656
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Research Institution | Aichi Shukutoku University |
Principal Investigator |
榎 裕美 愛知淑徳大学, 健康医療科学部, 教授 (90524497)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 雅巳 愛知淑徳大学, 健康医療科学部, 准教授 (30580229)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 健康関連QOL / 食品摂取の多様性 / SF-8 / 一般高齢者 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】本研究は、地域高齢者の食品摂取の多様性および健康関連QOLの実態とその関連について検討することを目的とする。 【方法】対象は、愛知県K市65歳以上の運動制限のある者および要介護認定者を除く高齢者33名(男性3名、女性30名、年齢77.3±4.0歳)である。登録時に基本属性、生活習慣、食習慣、食品摂取の多様性および健康関連QOLを測定した。食品摂取の多様性は、直近1週間の食事内容で、魚介類、肉類、卵・卵製品、牛乳・乳製品、大豆・大豆製品、緑黄色野菜、海藻類、いも類、果物、油脂類の10食品群について、10点満点で評価する。健康関連QOLは、SF-8TMを用い、8つの下位尺度スコアと2つのサマリースコアを算出した。食品摂取の多様性得点は、高値群(9~10点)、中間群(4~8点)、低値群(0~3点)の3群に分割し各因子およびSF-8スコアとの関連を検討した。 【結果】食品摂取の多様性得点において、低値群は全体の33.3%、中間群は54.5%、高値群は12.1%であった。3群間の背景因子の比較では、飲酒の習慣がない者、週3回以上軽い運動をしている者が高値群に属する割合が高かった(p<0.05)。多様性得点3群間別のSF-8スコアの比較では、高値群のPFとPCSは、中間群および低値群に比べ、有意に高い得点を示した(p<0.01)。さらに、目的変数をPCS(PCS 50点以上=1)としたロジスティック回帰分析の結果、性、年齢の調整後において、多様性得点低値群を対照群とした場合、中間群ではオッズ比22.9(p=0.011)、高値群ではオッズ比36.9(p=0.029)であり、身体的QOLの維持には、多様な食品を摂取していることが関連することが示された。 【結論】身体面のQOLの維持には多様な食品を摂取している食習慣が関連する可能性が明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルスの蔓延により、調査対象者を十分に確保できなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
調査を終了したデータのさらなる横断的および縦断的な解析を進める。 また、新型コロナウイルスによる緊急事態宣言などの解除後において、引き続き、対象者を新たに登録し、研究の最終目標である「フレイル予防に向けた栄養改善と運動器の機能向上の複合介入セルフプログラムの開発」に向けて研究を進めていく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの蔓延により、予定していた調査対象者数の確保ができなかったことから、物品費、旅費などの経費を使用しなかった。さらに、国際学会への参加の中止、国内学会の中止およびリモート開催等により、旅費の使用が著しく少ない計上となった。令和2年度と令和3年度を合わせた助成金については、対象者数を増やし、調査に関わる人件費等に使用していく。
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