2019 Fiscal Year Research-status Report
糖尿病合併脂質異常症に対する最適な脂質摂取量および脂肪酸組成の解明
Project/Area Number |
19K11673
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Research Institution | Seitoku University |
Principal Investigator |
深津 章子 聖徳大学, 人間栄養学部, 講師 (10709778)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池本 真二 聖徳大学, 人間栄養学部, 教授 (10176117)
大久保 研之 聖徳大学, 人間栄養学部, 教授 (40194097)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 糖尿病 / 脂質異常症 / 食事性脂肪酸 / 食事療法 / インスリン抵抗性 |
Outline of Annual Research Achievements |
糖尿病患者の合併症として心血管疾患の発症が増加している。日本人2型糖尿病患者において、血中中性脂肪とLDLコレステロールは、血糖コントロール指標であるHbA1cよりも心血管疾患の強い危険因子であることが示されており、血中脂質の管理が重要となる。糖尿病の食事療法において、血糖管理のための「炭水化物」と血中脂質管理のための「脂質」をそれぞれ単独に指導することは不可能である 。炭水化物の過剰摂取は、血糖値だけでなく血中中性脂肪を上昇させ、HDLコレステロールを低下させ、脂質の過剰摂取は、血中LDLコレステロールを上昇させるとともにインスリン抵抗性を介して血糖値を上昇させるためである。つまり、これらは常に関連しており、その関係のなかで 最適な食事の摂り方を追求する必要がある。糖尿病患者の血糖管理と脂質管理を両立するための、炭水化物と脂質の摂取比率および適正な脂肪酸組成を明らかにすることを目的とする。 第一段階として、脂肪酸組成の違いによる食後インスリン抵抗性の評価(食事負荷試験)の準備を進めた。具体的には、先行論文の調査、倫理委員会の審査、被験者の募集、予算計画と物品の調達、研究デザインの詳細考案、測定ツールの検討、試験食の調整と試食、実験手順書の策定、実験スタッフへの教育である。 2020年3月に、健常人を対象とした食後負荷試験を計画していたが、COVID-19拡大予防のために中止せざるを得なかった。状況が整い次第、実験を実施できる段階となっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年3月に脂肪酸組成の違いによる食後インスリン抵抗性を評価するべく、健常人を対象とした食後負荷試験を計画していたが、COVID-19拡大予防のために中止せざるを得なかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
COVID-19拡大の状況により食事負荷試験の実施時期を検討し、実施する予定である。試験実施のあとに、データ解析と研究成果の発表をおこなう。 次に、メタボリックシンドロームを有する対象者に対し、食事負荷試験の結果を生かした栄養指導をおこない、その効果を評価する。 人を対象とした実験研究の実施が当面難しくなる場合は、実験方法を試験食の献立分析や味認識装置による測定などに変更して、食事療法を進めるうえで不可欠な基礎的データを得る。
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Causes of Carryover |
COVID-19拡大予防のため健常人を対象とした食事負荷試験を実施できなかった。したがって、被験者に支払う謝金と負荷試験直前に支出する予定であった食材料費を使用しなかったため。 次年度は今年度に実施できなかった試験を実施するのにともない、謝金と食材料費を支出する予定である。加えて、メタボリックシンドロームを有する対象者に対する栄養指導の効果を判定する研究を実施するにあたり、検査費用や謝金を支出する計画である。
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