2020 Fiscal Year Research-status Report
糖尿病合併脂質異常症に対する最適な脂質摂取量および脂肪酸組成の解明
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19K11673
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Research Institution | Seitoku University |
Principal Investigator |
深津 章子 聖徳大学, 人間栄養学部, 講師 (10709778)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池本 真二 聖徳大学, 人間栄養学部, 教授 (10176117)
大久保 研之 聖徳大学, 人間栄養学部, 教授 (40194097)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 飽和脂肪酸 / 食事性コレステロール / 糖尿病 / 食品交換表 |
Outline of Annual Research Achievements |
『糖尿病食事療法のための食品交換表(以下、食品交換表)』は、50年以上も糖尿病患者と医療者に用いられてきた食事療法のテキストであり、食品を6つの表に分類して、表ごとの摂取量を定めることにより偏りない献立が立てられる仕組みである。7版改訂時には、炭水化物割合を50,55,60%から選択できるようになり利便性が向上したが、炭水化物を減らすと脂質摂取量が増えやすいものの、脂質の摂取過剰に関する注意喚起は、食品ごとにつけられる「脂質マーク」だけしかなく、脂肪酸の量を適切に把握するためには、より具体的な摂取量目安を提示する必要がある。そこで、食品交換表を用いて立てた献立における脂肪酸組成の特徴を明らかにして、飽和脂肪酸を適切に摂取するための交換表を用いた指導手法を検討した。 まず、食品交換表の各表に含まれる平均栄養素量(脂肪酸および食事性コレステロール)を算出し、交換表で示されている単位配分の献立において、どの程度の脂肪酸およびコレステロールをとることになるかを算出した。次に、望ましい飽和脂肪酸の摂取とするために、飽和脂肪酸の大きな摂取源となる表3と表4に注目し、表3については食品の群分けをし、各々の平均栄養素量を算出するとともに、表4については普通乳でなく低脂肪乳を使用したときの平均栄養素量を算出した。最後に、各表から何単位ずつとれば飽和脂肪酸量が過剰にならないかを検討した。 炭水化物比率50%の単位配分において、飽和脂肪酸量が総エネルギーの7%を超えると考えられるが、基準値以下とするためには表3からの単位数のうち半分以上を「魚・大豆」からとる必要があることが明らかになった。糖尿病患者の栄養指導において、飽和脂肪酸量を適正化するための具体的な指導策として使用できると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍において、ヒトを対象とした食事負荷試験が実施できていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
食事負荷試験の実施に向けて鋭意努力していくが、状況が許さない場合は、人間ドック受診者のデータを用いた観察研究に研究方法を変更する予定である。
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Causes of Carryover |
ヒトに対して食事を負荷する試験を実施するのに伴う謝金や検査費に関する支出を計画していたが、コロナ禍によりその実施ができなかったため。新型コロナウイルス感染状況をみながら試験の実施を目指し、被験者への謝金や検査費を使用する計画である。また、研究成果とそれを反映させたレシピを掲載したハンドブックを作成する費用に使用する。
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