2023 Fiscal Year Annual Research Report
男性における身体活動は骨折連鎖の起点となる無自覚の新規椎体骨折を予測可能か?
Project/Area Number |
19K11674
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
北川 淳 北里大学, 一般教育部, 教授 (80260529)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊木 雅之 近畿大学, 医学部, 教授 (50184388) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 男性 / 身体活動 / 身体機能 / 新規椎体骨折 / コホート研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
骨粗鬆症領域では,わが国最大の男性コホート(追跡)研究であるFujiwara-kyo osteoporosis risk in men :FORMEN Studyにおいて蓄積されたデータを基盤に,新規椎体骨折発生と身体活動との関係について調査した。すなわち,約2,000名の男性が受診した調査(2008年度実施済)をベースライン,10年次(2018年度:約1,300名実施)および11年次(2019年度:約500名実施)を追跡調査とし,ベースラインの身体活動が約10年間における新規椎体骨折の発生を予測するか否か,について縦断的に検討することを目的とした。 最終年度である令和5年(2023年)度は,ベースラインと追跡調査の両方を受診した対象者を精査し,統計解析を行った。 ベースラインの約2000名のうち,1350名が解析対象となり,47名に新規椎体骨折が発生していた。そこで,骨折無し1303名,骨折あり47名を評価項目とするロジスティック回帰分析を行った。予測因子となり得る説明変数として,以下のベースライン項目を用いた。質問紙による身体活動量,握力,10m最大歩行速度,開眼片足立ち時間,年齢,BMI (Body Mass Index),腰椎骨密度,喫煙の有無,飲酒習慣の有無など。 その結果,新規椎体骨折の予測因子として身体活動量は選択されなかったが,握力が独立した予測因子として選択された。研究意義として,握力は上肢のみならず,全身の筋力を反映する指標であることから,全身の筋力を維持することが椎体骨折発生の防止につながることが示された。超高齢化社会の日本において健康寿命(自立して健康に暮らせる期間)を延伸するためには,運動習慣を持ち,筋力を維持することの重要性を示すことができたことは大きな成果である。
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