2020 Fiscal Year Research-status Report
Effect of marine carotenoids against muscle atrophy and its mechanism
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19K11792
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
平坂 勝也 長崎大学, 海洋未来イノベーション機構, 准教授 (70432747)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二川 健 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 教授 (20263824)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 海洋性カロテノイド / 筋萎縮 / ミトコンドリア / 酸化ストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、昨年度に引き続きこれまでに知られていない海洋性カロテノイドの作用機序と筋萎縮予防効果について、以下の解析を行った。 (1)海洋性カロテノイドの機能性解析(主担当:平坂勝也、副担当:二川健) ミトコンドリア由来酸化ストレスに対する海洋性カロテノイドの作用:食事性アスタキサンチンの摂取は筋萎縮によって産生されるミトコンドリア由来酸化ストレス(呼吸鎖タンパク質複合体IおよびIII由来活性酸素種)を軽減することがわかった。その作用機序として、アスタキサンチンはミトコンドリア内膜に局在し、呼吸鎖タンパク質から産生される活性酸素種を消去することを明らかにした。加えて、筋管細胞を用いた解析により、アスタキサンチンの処理はミトコンドリア障害によって引き起こされるアポトーシスの誘導を抑制することがわかってきた。 (2)筋萎縮モデルマウスを用いた海洋性カロテノイドの効果(主担当:平坂勝也、副担当:二川健) 食事性アスタキサンチン摂取は、速筋優位筋線維ではなく遅筋優位筋線維において、尾部懸垂によって引き起こされる筋重量の減少に対して抵抗性を示すことがわかった。特に、食事性アスタキサンチンは、遅筋線維であるタイプI線維や中間筋線維であるタイプIIa線維の萎縮を顕著に抑制した。一般的に、遅筋線維はミトコンドリア含量が高いことが知られていることから、アスタキサンチンの作用はミトコンドリアを選択的に標的にしていることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
細胞実験だけでなく動物実験において、海洋性カロテノイド、アスタキサンチンがミトコンドリア由来酸化ストレスを抑制することで筋萎縮予防に効果的であることが捉えられてきた。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)海洋性カロテノイドの機能性解析(主担当:平坂勝也、副担当:二川健) ミトコンドリア由来酸化ストレスに対する海洋性カロテノイドの作用:アスタキサンチンはミトコンドリア内膜に局在し、呼吸鎖タンパク質から産生される活性酸素種を消去することでミトコンドリア障害からの保護作用を有することがわかってきた。実際に、ミトコンドリア呼吸鎖タンパク質に影響するかどうか、ウエスタンブロッティングやフラックスアナライザーを用いてミトコンドリア機能について解析を行う。 (2)筋萎縮モデルマウスを用いた海洋性カロテノイドの効果(主担当:平坂勝也、副担当:二川健) 筋萎縮に対する海洋性カロテノイドの作用:海洋性カロテノイドがミトコンドリア由来酸化ストレスを介した筋萎縮に対して保護作用を有するメカニズムの解明を行う。
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Causes of Carryover |
昨年度、論文投稿予定であった予算を今年度に繰り越したため。
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Research Products
(6 results)