2020 Fiscal Year Research-status Report
多変量予測モデリングに基づく骨折リスクスクリーニング法と予防教育プログラムの開発
Project/Area Number |
19K11809
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Research Institution | Kawasaki University of Medical Welfare |
Principal Investigator |
松本 浩実 川崎医療福祉大学, リハビリテーション学部, 講師 (50810230)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
櫛田 大輔 鳥取大学, 工学研究科, 准教授 (30372676)
萩野 浩 鳥取大学, 医学部, 教授 (80208412)
谷村 千華 鳥取大学, 医学部, 教授 (90346346)
大坂 裕 川崎医療福祉大学, リハビリテーション学部, 准教授 (90550385)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 骨折リスク / 骨折 / 転倒 / 筋力 / 筋肉量 / 歩行 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究#1の疫学研究については、要介護認定や死亡などの理由で研究からドロップアウトしたものを除く414名の地域在住住民に対して、令和元年度6月から令和2年6月に発生した転倒、骨折発生の有無についてアンケート調査を実施し、374名(90.3%)から回答を得ることができた。この1年間で71名(18.9%)が1回以上の転倒を経験していた。転倒の方向をみると前方への転倒が26名、側方への転倒が15名、後方への転倒が34名と後ろに転倒するものが多かった。転倒者のうち、7名に新規の骨折が発生していた。骨折の内訳をみると椎体圧迫骨折2名、膝関節周囲の骨折1名、肋骨骨折1名、その他が3名であった。 研究#2の多変量解析による骨折リスクタイプ分けと骨折リスク予測モデルの構築については、令和元年の追跡調査で得られた骨折発生者のデータを用いて解析を行った。その中でも一般的に骨折発生が多い女性について主成分分析を実施した。その結果、主成分寄与率が高い項目として体重、握力が挙げられた。さらに転倒を経験しているものに限ると歩行速度も寄与率が高いことがわかった。つまり、女性においては痩せ、筋力低下、歩行速度低下という3つの骨折リスクタイプに分けれる可能性が示唆された。 研究#3の骨折予防プログラムの開発については、研究#1,2で明らかとなりつつある転倒・骨折発生と体重、筋力、歩行能力との関連を考慮し、それらを改善できる運動プログラムおよび指導教材について内容を検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度も疫学調査のアンケート回収率は90.3%と高い結果を得ることができた。今後2021年度の追跡調査を行うことで、長期的な骨折発生数、骨折危険因子が明らかになる。また、多変量モデリングによる骨折リスクタイプ分けと骨折リスク予測モデルの構築についても、主成分分析の結果、概ね仮説通りの結果を得ることができているためタイムスケジュール通りに研究は進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
骨折発生危険因子抽出のための疫学調査の継続し、骨折発生者のデータを多く集めることで、多変量骨折予測モデルの精度を上げていく。またその予測モデルを元に骨折予防プログラムに必要な項目を選択し、具体的な運動や栄養指導などの介入プログラムを開発していく。
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Causes of Carryover |
予定していた学会出張、新たな地域住民のフィールド調査および#3で予定していたシステマティックレビューができず未使用予算が生じた。翌年度以降は郵送アンケートのフィールドを広げ、その郵送費用及び論文作成費用に使用する計画にある。
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Research Products
(3 results)