2021 Fiscal Year Annual Research Report
時空間データのスパースモデリングと実データへの応用による現象理解
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19K11861
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
西井 龍映 長崎大学, 情報データ科学部, 教授 (40127684)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 章司郎 広島経済大学, メディアビジネス学部, 教授 (00197427)
持田 恵一 国立研究開発法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, チームリーダー (90387960)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 時空間データ解析 / スパースモデリング / 分子ネットワーク / 深層学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
下記3つの課題を主に考察した. 1)太陽風が地震のトリガの一つであるという仮説を検証するため,全球で観測されるマグニチュード 5.9以下の地震頻度を目的変数,説明変数として時間遅れを持つ地震頻度とした自己回帰型非線形モデルを推定した。さらに説明変数として太陽風の速度、動圧、温度等の9次元物理量を追加した回帰モデルは、自己回帰モデルより有意に予測能力が上がることを示した. モデルとしては深層学習を用いた.地震頻度や物理量の時間遅れに対するTCN: Temporal Convolutional Network を適応することにより、テストデータで一日後のマグニチュード 4-4.9の地震頻度を相関0.65と予測できた. 2)空間で観測された Spatial Panel Dataの典型的な回帰モデルは Spatial Durbin Model で与えられる (J. P. Elhorst, Spatial Econometrics 2013, 37-93). モデルには空間的隣接関係を表す既知行列、および各小地域の標高や人口のような環境的・社会的説明変数が用いられる.モデルの母数推定は容易ではなく,また変数選択が重要で求められる.ここでは逐次選択により最適な変数組を求める手法を開発した. 3)植物の形質は, ゲノム上にコードされる遺伝子要因, 光や温度といった環境要因の相互作用によって決定される. また植物の表現型は, 発芽からの生長過程における相互作用の積み重ねとして顕在化する. しかしゲノム上の数万にのぼる遺伝子は, 季節, 生長状態, 環境ストレスによって遺伝子の働きやネットワークは変動し,タンパク質やホルモン、その他の代謝物といった高次の分子ネットワークも大きく変化する. ここではスパースモデリングによる変数選択により表現型の説明変数となる遺伝子や環境要因の特定を行った.
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Research Products
(11 results)