2021 Fiscal Year Research-status Report
超球面およびシリンダー上の新たな統計モデルの開発およびその推定に関する研究
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19K11863
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Research Institution | Takasaki City University of Economics |
Principal Investigator |
宮田 庸一 高崎経済大学, 経済学部, 准教授 (10514250)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 方向統計学 / 非対称性 / 識別可能性 / 多様体上の確率モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度においては、円周上、トーラス上、およびシリンダー上の新たな統計モデルに関する研究成果を得ることができた。円周上の統計モデルについては、確率密度関数が最大になる点(Mode)および最小になる点(Anti-mode)が、位置パラメーター以外のパラメーターに影響を受けず、なおかつ強い非対称性も表現できる新たなモデルに関する研究を行い、その論文が採択された。 またトーラス上の統計モデルとしては、Abe and Pewsey (2011)により提案されたsine-skewing関数を用いることにより、パラメーターに関する識別可能性など理論的に望ましい性質を持ち、取り扱いやすい分布の研究を行った。この結果に関しては、Springer社から、Book Chapterとして出版されることが決まっている。 シリンダー上の確率モデルに関しては、Abe and Pewsey (2011)により提案されたsine-skewing関数を拡張した関数を提案し、それに基づいた新たな分布を提案した。この分布はパラメーターに関する識別可能性を持ち、三角モーメントが陽に表すことができるなど、理論的に望ましい性質を持ち、またその一方で、分布のモードの周辺で比較的強い非対称性を与えることができる。この成果を2021年12月にイギリスでハイブリッド開催で行われたComputational and Methodological Statisticsでの会議においてZoomによる研究報告を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
シリンダー上の統計モデルに関する研究に関しては、当初の想定通りに物事が進んでいるため、順調に進展している。一方で球面上の非対称分布に関しては、遅れている。球面上の統計モデルに関しても、研究実績の概要で記載した拡張されたsine-skewing関数を使うことで、非対称な新たな分布を実現できることがわかっているが、その数値的な性能の検証や理論的な性質に関しては、まだ明らかでないことが多い。また現在、シリンダー上の強い非対称性を与えることができる統計モデルに関する論文の完成および投稿を最優先しているため、結果として、こちらの研究が遅れてしまっている。
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Strategy for Future Research Activity |
1. シリンダー上の強い非対称性を与えることができる統計モデルに関する論文の作成およびその投稿を最優先事項とすなる。 2. 球面上の統計モデルに関しては、すでに提案されている球面上の統計モデルに関するさらなる調査を進め、それと共に球面上の関数の特徴量を表す指標に関する研究を行う。特に、研究代表者1人では、知識が限られているため、外部の専門家に知識の提供を依頼することも考えている。
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Causes of Carryover |
最も大きな理由としては、コロナウイルスの蔓延により、海外での研究報告、および研究のための滞在をすることができなくなってしまったために次年度使用額が生じた。今後の使用計画については以下の通りである。現在、シリンダー上の統計モデルに関する論文を作成しているが、そのネイティブチェック、および論文が採択された場合の掲載料(Open access journal)に割り当てることを考えている。また、今後、コロナウイルスによる自宅隔離など、追加負担の少ない条件の下で、海外への渡航が許された場合には、当初の計画通り、海外での研究報告や研究滞在をすることを考えている。
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Research Products
(3 results)