2019 Fiscal Year Research-status Report
Statistical models for cylindrical data and their applications
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19K11869
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Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
阿部 俊弘 南山大学, 理工学部, 准教授 (70580570)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | シリンダーモデル / 角度データ / 歪対称モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
渡り鳥であれば移動方向と移動速度、風であれば風向と風力、というように、自然現象で遭遇するいくつかのデータは「角度」と「長さ」の組で与えられる。このような組は円筒(=シリンダー)上の点と同一視することができることから、シリンダーデータと呼ばれている。このようなシリンダーデータは、様々な学問分野において存在している。 シリンダー上のデータの例として、上で述べたもの以外にも樹木の樹冠の向きとその長さ、生物の移動方向と移動距離等が存在する。他にも、ある時刻の地震の震源地と次の時刻の震源地、さらにその次の時刻の震源地を結んでいくことにより、震源地間を角度で測ることができ、これにマグニチュードを加えることで、時間の情報を持つシリンダーデータと見なすことができる。このように様々なシリンダーデータが存在するが、シリンダーモデルは円周上のモデルに比較すると研究はあまりされていない。 そのような背景の下、本研究では(角度, 長さ)の観測を含むシリンダーデータやそれに関連した統計解析手法の開発を行っている。 1年目にあたる2019年度は、Abe-Leyモデルとも呼ばれているWeiSSVMモデル(Abe & Ley, 2017)の拡張に関する研究を行った(Imoto, Shimizu & Abe, 2019)。 また、シリンダーモデルを構築していくうえで、通常の統計モデルの研究の発展も非常に密接に関係してくる。このために、Fujisawa & Abe (2015)の多変量歪対称モデルを提案し、その性質を調べた(Abe & Fujisawa, 2019)。 シリンダーモデルの開発には、角度のみのモデルの研究ももちろん重要な役割を果たす。このために、歪対称な角度モデルの混合モデルに関する推測理論についても研究を進めた(Miyta, Shiohama & Abe, 2019)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
シリンダーデータのために妥当な推定結果を与えるPareto型のシリンダーモデルを開発する予定であった。2019年度にその目的は国際誌に論文を出版するという形で達成された。また、そのモデル開発のみならず、通常のユークリッド空間における統計モデルの開発に成功した。さらに、歪対称な角度モデルの推測理論についても研究を進めることができた。国内の研究会や国際会議でも研究発表・セッションオーガナイズを行い、活発に研究活動を行った。以上のことより、当初の計画以上に進展しており、当該分野における研究の発展に貢献することができたといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
現在まで当初の計画以上に研究が進展しているが、緊急事態宣言の発令に伴い、国外への出張はかなり難しいことが予想される。しかし、このような状況の下でも、これまでとは違った形で研究を発展させていく突破口を見つけたので、新しい研究体制を整え、国外の研究者らと連携をしながら、困難を乗り越え、申請書の内容以上の研究を進めていくことを目指していく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言による影響を受け、出張を控えたため。 来年度以降、状況が落ち着き次第、旅費として使用する。
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Research Products
(7 results)