2019 Fiscal Year Research-status Report
ブレインクラウドに基づいた脳卒中リハビリテーション補助システム
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19K12123
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Research Institution | Maebashi Institute of Technology |
Principal Investigator |
鍾 寧 前橋工科大学, 工学部, 教授 (70284263)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朱 赤 前橋工科大学, 工学部, 教授 (20345482)
今村 一之 前橋工科大学, 工学部, 教授 (30203326)
大島 宗哲 育英短期大学, その他部局等, 准教授(移行) (80554162)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 脳情報学 / ブレインクラウド / データブレイン / 脳卒中リハビリ / 補助システム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、脳卒中患者のリハビリテーションを支援するため「ブレインクラウド」に基づいた脳神経からのリハビリテーション補助システムを構築する。脳卒中とは脳の血管がつまったり(脳梗塞)、破れたり(脳出血)して、手足の運動障害や認知障害(例:言語障害)などの症状が現れ、脳の機能が低下する病気である。下肢運動障害を被る脳卒中患者は、移動補助ロボットを用いて歩行練習を行うことができる。移動補助ロボットは、電動車椅子のように押す人の力が弱くても移動させることができるため患者を移動させる時に介護者の負担を軽減できるだけでなく、さらに杖として脳卒中患者を支えて、患者一人一人に合わせた歩行練習をサポートすることが求められている。しかし、脳卒中患者は適切なリハビリを受けないと運動障害に陥り、下肢の動きのバランスが悪くなるという特徴を持ち、筋肉の異常癒着や歩行失行になる可能性がある。本研究は脳卒中患者を支援するためビッグデータ処理や知的サービス技術とロボット技術を融合し、既に開発した脳情報と知的サービスプラットフォーム(ブレインクラウド)に基づき、リハビリロボットシステムを構築する。ブレインクラウドは多様な生理、認知データ(歩行、筋電、脳波、fMRI、機能回復訓練の記録など)を収集するとともに、管理からデータ分析等を一貫的に提供するビッグデータクラウドプラットフォームである。移動補助ロボットはデータ収集端末として患者の機能回復訓練中の生理・行為データを収集できる。制御技術で移動速度と方向を調整できる移動補助ロボットをモノのインターネット(IoT)の一環として利用し、脳ビッグデータセンター、ロボット、ウェアラブル端末の三者の間を結び付けて、リハビリ中の歩行と認知機能に関するフィードバックや改善する提案を患者に伝えられ、その効率と効果を高められるシステムの開発を目指している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
理論・シミュレーション・実験研究といった方法を用いて、収集した歩行のデータに基づいて歩行状態をフィードバックし、歩行のリハビリ訓練と移動を補助する全方向移動ロボットを開発した。主な成果を以下に示す。 (1)ウェアラブル端末による小型化歩行データを収集するシステム SOCチップセンサー技術を利用し、ウェアラブル端末による小型化歩行データを収集するシステムを開発した。また、BLEやAndroid技術に基づき、歩行・筋電・脳波データのアップロードとデータを記憶するモジュールを完成させた。例えば、両足や腰に装着したウェアラブル端末を用いて歩行のデータをリアルタイムで収集できる。一つの端末の重さは200g以下であり、サンプリング間隔は1ms以内である。また、一度満充電すれば5時間以上使用可能である。 (2)全方向移動歩行補助ロボット 一般的なゴムホイールを使用した全方向移動技術を通じて、アドミッタンス制御技術を借り、ロボットのコントローラーをユーザーが操作する力の方向と大きさによって、ロボットの移動方向とスピードがデバイスで操作可能な歩行補助機と電動車椅子を合わせた製品を実現した。具体的には、ロボットの移動スピードは0-6km/h(健常な成人の歩行スピードは4-6km/h)、ロボットの移動方向は360度自由に移動でき、回転半径は0m(その場で回転可能)である。また、パラメータを変えることで自由に推進力を調整できる。電動ではない場合、人が車椅子に座っている時、自分で車椅子を推進する開始動力は70-80Nになり、等速状態でも50-60Nが必要である。省力化するよう開発された歩行補助ロボットは開始動力が10N程度で制御でき、等速状態での推進力は7-8Nである。さらに、車椅子を止める時は逆張力を加える必要はなく、車椅子のコントローラーから手を離すと一秒の後に自動で止まる。また、上り坂と下り坂でのユーザーに必要な推進力の差は0-5Nである。
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Strategy for Future Research Activity |
現在の研究進捗に基づいて、脳機能リハビリの程度を定量評価するための個人モデルを構築し、脳卒中患者にサービスを提供することを目指す。補助システムは多様なウェアラブル端末や商業化ロボット(Pepper)、開発した下肢全方向移動補助ロボットをサービスデバイスとして構築する。今後の研究の推進方策は以下に示す。 (1)脳情報と知的サービスプラットフォームの機能を拡張し、ウェアラブル端末を用いた小型化歩行・脳波のセンサーシステムと接続する。次に、パターン認識と信号処理の技術を利用し、歩行・筋電・脳波のデータを分析することにより歩行のリハビリに有効的な指標を入手し、脳卒中患者向けの歩行・認知機能のリハビリの状況を客観的に把握し、個別化した指導などのサービスを提供する。 (2)一人一人の患者の歩行・筋電・脳波データを用いて個人モデルを構築する。多くの健常者や患者のモデルと比較し、脳情報プラットフォームの中に機械学習とその患者に適応するよう調節し、脳卒中のリハビリ訓練に向けたフィードバックシステムを構築する。次に、脳情報と知的サービスプラットフォームから歩行補助と認知機能回復のための知識を提供する。 (3)開発した脳卒中患者のリハビリにおけるウェアラブル端末と全方向移動歩行補助ロボットは様々な基礎理論と実験検証を通して、基礎的な研究成果を発表する。さらに、この研究成果は身体障害者の補助分野にも応用できる技術である。人と社会への技術提供を目指し、脳情報と知的サービスプラットフォームの技術含有量を上げることを促進することにより身体障害者の補助分野の発展を推進することができ、社会的・経済的利益をもたらすことができる。
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Causes of Carryover |
旅費については、自身が研究指導している大学院生が国際会議等に参加する予定であったが、投稿した論文が採択されず参加できなくなったため、予定より少額になった。人件費については、雇用する予定であった者の事情変化により雇用することができなくなったため、予定より少額になった。次年度、これらを人件費や論文掲載料等に使用する予定である。
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[Journal Article] TeraVR Empowers Precise Reconstruction of Complete 3-D Neuronal Morphology in the Whole Brain2019
Author(s)
Y. Wang, Q. Li, L. Liu, Z. Zhou, Y. Wang, L. Kong, Ning Zhong, R. Chai, X. Luo, Y. Guo, M. Hawrylycz, Q. Luo, Z. Gu, W. Xie, H. Zeng, H. Peng
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Journal Title
Nature Communications
Volume: 10
Pages: 1~35
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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