2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of an experimental system for motor learning using virtual reality technology
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19K12186
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Research Institution | Mejiro University |
Principal Investigator |
尾崎 繁 目白大学, 保健医療学部, 教授 (60292546)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内山 俊朗 筑波大学, 芸術系, 准教授 (50334058)
勝部 里菜 筑波大学, 芸術系, 特任研究員 (60937689)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | プリズム適応 / 運動学習 / ヘッドマウントディスプレイ / VR空間 |
Outline of Annual Research Achievements |
スキルの上達のためには“失敗から学んで覚える”練習が重要である。例えば、視覚目標に向かって手を伸ばす運動(到達運動)は、ガラスプリズムを用いて視野を水平方向にずらすと、初めは虚像に手を伸ばすので目標との間に誤差が生じるが、この誤差は運動を繰り返しながら減少していく(プリズム適応)。次にプリズムをはずして到達運動を行うと、当初は逆方向の誤差が生じ(後効果)、再び運動を繰り返しながら回復する。この過程は脳の可塑性による「運動学習」で説明されている(Kitazawa et al., J. Neurosci. 1995)。 本研究の目的はプリズム適応の誘発と解析にヘッドマウントディスプレイ(HMD)とバーチャルリアリティ(VR)技術を組合せ、次の仕様を備えた実験システムを開発することである。(1) ガラスプリズムを使わない視界シフト、(2) シフトの方向と大きさを可変、(3) 視界遮断等の映像効果の付加、(4) ハンドコントローラによる運動の検出、(5) ダーツ(ボール当て)ゲームのVR空間、(6) 様々な条件下のVR空間で運動学習を誘導。(1)から(3)の仕様を満たすプロトタイプシステム2種類は構築済みである。これらシステムの有効性の検証と改良のための実験は、COVID-19の影響が続いて被験者確保が進まず、十分な成果を得るに至っていない。しかし、少数の実験で視界を遮断する映像効果がプリズム適応に影響することを確認した。一方、脳科学の啓発を目指し、これらによる運動学習体験コーナーを所属機関オープンキャンパスで開催し、好評を得た。また、2023年度に承認された分担研究者と共に(3)から(6)の開発と実装を進めた。その成果を「第6回つくばメディアアートフェスティバル」で実演し、好評を博した。しかしながら、研究計画の遅延は解消されておらず、研究計画全体の60%程度の達成に留まっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2023年度は、既に構築した上記(研究実績の概要)に示す (1)~(3)の要件を満たすプロトタイプシステムによりプリズム適応を誘発した健常被験者のデータによってシステムの有効性の確認と改良を行うとともに、上記 (4)~(6)をHMD上のVR空間に実装する実験パラダイムを開発することを計画した。 2023年度もCOVID-19の影響が残り、十分な人数の健常被験者から研究成果を得るには至らなかったが、プロトタイプシステムによる視界遮断の映像効果がプリズム適応に影響することは確認できた。また、HMD上のVR空間でプリズム適応を誘発する実験システムの実装を達成し、プリズム適応の効果を確認した。これらの成果物を展示会等で一般参加者に実演することで、脳科学の啓発を提供する機会を設けることもできた。しかし、これらの実験システムで誘発したプリズム適応の効果を評価し、改良するために必要となる実験データを十分な健常被験者から取得する過程が滞っており、研究展開に大幅な遅延が生じていると判断せざるを得ない。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は停滞中の研究計画の早期実施を図る。本研究で開発した実験システムがプリズム適応と同様の運動学習効果を誘発することは確認できているので、十分な健常被験者を確保して研究を進める必要がある。まず、プロトタイプシステムの視界遮断の映像効果の有無が腕の到達運動の学習に与える影響に着目し、このシステムに適した実験パラダイムを開発する。次に、本研究の第1段階(プロトタイプシステム)の評価後に予定していたHMD上のVR空間でプリズム適応を誘発する実験システムの開発が進み、実装に至ったので、VR空間内でプリズム適応を効果的に誘発する各種パラメータを検証する。その過程で必要となる問題の解決やソフトウエアの更新を研究分担者と共に進める。2024年度はこれらを並行して実施する。また、これらの成果物を所属機関のオープンキャンパス等の一般参加活動に活用し、脳科学の啓発活動も推進していく。
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Causes of Carryover |
2023年度は当該分野に精通した研究分担者の追加が承認され、HMD上のVR空間でプリズム適応を誘発する実験システムの開発と実装を進め、これに関連した研究経費を執行した。一方、2023年度も新型コロナウイルス感染症の影響が引続き、十分な人数の健常被験者の行動実験に取り組むことができなかった。そのためにプロトタイプシステムとHMD-VR実験システムの双方のデータ取得と検証が不足している。その結果、これらの実施に必要となる被験者謝金の執行が滞り、次年度使用額が発生した。 2024年度は本研究の被験者実験、VRプログラム更新及び一般向け展示・実演等に関わる研究経費を執行する計画である。
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Research Products
(3 results)