2021 Fiscal Year Research-status Report
小学生の自己学習を促すインタラクティブコンテンツの内製と共有に関する研究
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19K12280
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Research Institution | Jin-ai University |
Principal Investigator |
篭谷 隆弘 仁愛大学, 人間生活学部, 教授 (80290089)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | インタラクティブコンテンツ / H5P / デジタル教材 / シナリオ型教材 |
Outline of Annual Research Achievements |
インタラクティブコンテンツの内製およびその共有について研究するにあたり、主にツールを用いたコンテンツの制作過程を検証した。 近年のeラーニングなどの自己学習教材において、シナリオ型教材の必要度が増している。またその理論的裏付けとしてゴールベースシナリオ理論があり、本研究にも関連する先行研究などについて調査した。 つづいて、シナリオ型教材の内製ツールについて検討した。Webページリンクやプレゼンスライドの分岐なども考えられるが、正誤判定やその記録などを考慮し学習管理システム上で連携利用が可能なものとして、インタラクティブコンテンツが製作可能なH5PのBranching Scenarioというモジュールを中心に、その機能などを確認した。シナリオに沿ってブロックで表されるテキストや写真・動画や他のインタラクティブコンテンツを配置することで、ページ遷移の構造を視覚的に指定することが可能になっている。 つづいて、このツールを用いて、実際に小学校高学年向け学習教材の例として、文部科学省で「情報化社会の新たな問題を考えるための教材」として委託開発を行っているコンテンツのひとつ「ネットゲームに夢中になると…」の再構成を試行した。本来は動画素材などを中心に集団学習のなかで利用することを想定しているが、それを個別学習の中でストーリーを体験しながら、途中に複数の判断・決断を求めるポイントを設けるものとした。モデル指導案も参考に、冒頭に「問題点」「原因」「対応」を選択肢として提示しそれぞれの選択後のフィードバックとして、様々な解説するようにした。つづくストーリー展開として解説動画の視聴を行うが、動画内の要所となる部分にはホットスポットによる解説を設けたり、クイズを配置することで、学習者自身が視聴にもとづいて判断を行っていく。 今後コンテンツの拡充と実証に向けた取り組みを進めていく必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
自身の様々な業務・活動との調整が不十分となり、時間不足な面があった。小学校現場との連携においては、コロナ禍の影響もあり、密な連携ができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
小学校現場ではGIGAスクール構想の下整備された端末等の児童利用も始まっている。関係機関に相談するなどし、これらの利用状況および課題点などについて把握したいと考えている。 インタラクティブコンテンツの内製については、シナリオ型の教材開発の拡充に加え、360度写真を活用した施設・名所の仮想ツアー制作を検討している。これにより児童の興味関心にもとづいて空間的な位置を探索するような教材を製作し、社会科や理科の学習にシミュレーション的な要素を取り入れられると考えている。
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Causes of Carryover |
学会参加等のため計画していた旅費についてはコロナ禍の影響により多くの学会・研究会が中止もしくはオンライン開催となるなどし、支出が無かった。次年度、学会・研究会の開催状況にもよるが、それらへの支出に加え、コンテンツ制作を加速させ、デバイス上での利用試行に向け必要な機材の購入および、試行に必要となる人員確保とそのための謝礼を計画している。
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Research Products
(3 results)