2020 Fiscal Year Research-status Report
Impact assessment of unexploded ordanance disposal at the seafloor and the construction of aggressive environmental load reduction techniques
Project/Area Number |
19K12393
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Research Institution | Okinawa National College of Technology |
Principal Investigator |
比嘉 吉一 沖縄工業高等専門学校, 機械システム工学科, 教授 (20335368)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井山 裕文 熊本高等専門学校, 生産システム工学系MIグループ, 教授 (40300660)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 不発弾 / 海中爆破処理 / 数値シミュレーション / 可視化 / 港泊図 / 環境負荷低減化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,不発弾海中爆破処理における影響評価を実験力学ならびに計算力学的視点により明らかにすることで,不発弾海中爆破処理海域へ及ぼす環境への影響を低減化する処理技術の提案を通して当該問題への貢献を行うものである.具体的には,海中における不発弾爆破処理条件となる①処理炸薬量,②周辺海域/海底地形の違いが,一次飛散物および水中衝撃波伝ぱ挙動に及ぼす影響について,スケールモデルによる可視化実験ならびに種々の影響因子を導入した計算機実験により明らかにすることを目的としている. 研究計画の2年目では,初年度に構築した簡易版海中爆発問題シミュレーターを利用することで,1)不発弾炸薬量,2)処理海底の水深および3)海底土壌の違いが不発弾爆発現象に及ぼす影響について詳細な検討を行った.ここでは,数値シミュレーションモデル離散化精度についても詳細な検討を実施している.さらに,簡易版海中爆発問題シミュレーターに不発弾実形状を考慮することで,より精緻な計算機実験を実施する目的から,U.S. Explosive Ordnance, OP 1664(1947)を参照することで,これらの具体的な寸法,炸薬量を導入した不発弾モデルを,CADソフトウェアを援用することで設計し,数値シミュレーションモデルへの導入を行った.さらに,海底形状および周辺海域の詳細なモデル化を行う目的から,港泊図を利用した数値シミュレーションモデルの作成を実施した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染症拡大防止の観点から,出勤および移動制限が行われたものの,計算力学的視点をベースにした数値シミュレーションモデルの作成および計算機実験については,対面をともなわない性質でかつ遠隔リモートでの実施が可能であったことから,概ねプロジェクトの実施状況について高評価を行っている. 一方で,熊本大学に設置の爆発実験設備を利用した可視化実験については,設置大学法人による制限や,必要人員の配置が困難であったことだけでなく,出張にかかる移動制限などが大きく関与したことで,前年度に設計製作した実験水槽の持ち込みや海底土壌の導入など,物理的な制約条件が極めて多かったため,可視化実験の実施には至らなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
専用実験設備での可視化実験については,移動制限解除とともに実験水槽および高速度カメラを持込むことで,水圧依存の海中衝撃波伝ぱ挙動の可視化実験を実施する.合わせて,海底土壌を導入した海中爆破挙動の可視化実験を実施することで,1)水圧に依存した衝撃波伝ぱ挙動,2)海中土壌の飛散状況の可視化実験を行い,これらのデータ整理により,数値シミュレーションモデルの精緻化,計算機実験へのフィードバックを行う. 計算機実験においては,不発弾実形状ならびに実海底地形を導入した数値シミュレーションモデルを大規模計算機システムを利用して計算機実験を実施し,避難半径の積極的な縮小化と環境影響評価に資するデータを取得する.
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症拡大に伴う社会生活の制限により,年度内で予定していた国内外での学会出張および情報収集のための出張を全て取りやめることになった.そのため,旅費の支出が大きく減ずる結果となった.ただし,この間の研究の進捗報告等について,研究分担者とのミーティングはオンライン会議システムを援用することによって問題なく実施することができたことは不幸中の幸いである.次年度へ繰り越した助成金は,大規模計算機システムへの使用料として充当することで,今後の研究進捗に大いに寄与するものと考えている.
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