2019 Fiscal Year Research-status Report
Defference of evaluation structure on lake basinby residents and researchers
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19K12462
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
平山 奈央子 滋賀県立大学, 環境科学部, 講師 (30623847)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 流域保全 / 環境評価 / 共分散構造分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
湖沼環境は流域内の様々な活動の影響を受けるため,湖沼保全政策の対象範囲は広く,そのほとんどは都道府県行政によって実施されている.また,それら政策は基本的には専門家委員会による評価・議論を基に決定され,住民関与は極めて限定的である.しかし,一部の評価項目について,専門家と住民の評価に差異があることがわかっている.本研究では,住民評価を踏まえた湖沼保全政策の検討を進めるために,湖沼流域の現状に対する住民評価と評価に影響を与える要因,住民評価と専門家評価の差異とその要因,住民評価が低い項目から,①利害関係者間において議論・調整が必要な項目(論点),②湖沼保全政策に反映すべき地域課題,③住民に正しく認知されていない項目について明らかにすることを目的とする. 実施計画として,琵琶湖・八郎湖・宍道湖の流域住民に対して,湖沼流域の現状評価と評価に影響を与える要因に関するアンケート調査を実施し,共分散構造分析を実施することとしている. 2019年度は琵琶湖を対象としたアンケート調査・分析を実施した.その結果,幼少期の自然への関心が高いほど,また,流域内の居住期間が長いほどその水域への関心が高く,それらの人は水草や外来魚の評価が悪い傾向にあることが分かった.また,水域への関心が高いほど,保全計画の認知度が高くアオコと外来魚の評価が良い傾向にあること,および,流域に関する知識点数が高く水質の評価が良い傾向にあることが分かった.さらに,居住期間が長いほどヨシの評価が悪い傾向にあることが示唆された. 以上の結果について環境工学研究論文集に投稿し掲載された.また,2019年12月に開催された第56回環境工学研究フォーラムにて口頭発表を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
調査対象としている3湖沼のうち,琵琶湖について調査・分析を実施することができた.分析については,別の観点からの仮説モデルの設定について検討した.また,アンケート票の返信率が高く,回答の不備もほとんど見られないことから,八郎湖と宍道湖についても同様の調査票で実施可能であると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は八郎湖と宍道湖のアンケート調査を実施する予定である.ただし,新型コロナウィルス感染拡大予防の観点から通常通りアンケート調査を郵送できるか不透明である.できるだけ早めに送付手続きをし,難しい場合は郵送以外の配布方法について検討を始める.もしくは,アンケート調査は次年度に実施し,今年度は琵琶湖の調査結果を用いて専門家評価との比較を優先的に行う.
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Causes of Carryover |
購入予定であった物品を他の経費にて購入したため. また,研究補助者の作業効率がよく,予定よりも短時間で作業を修了することができたため.
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Research Products
(2 results)