2019 Fiscal Year Research-status Report
The historical origin of the International development voluntary service and the diffusion of idea: Western and Asian cases
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19K12496
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岡部 恭宜 東北大学, 法学研究科, 教授 (00511445)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 国際ボランティア / 開発協力 / 青年海外協力隊 / JICA / 平和部隊 / VSO / KOICA / Norec |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度である令和元年度は、国際開発ボランティア事業に関する先行研究の文献と一次資料の収集にあたった。まず、日本の青年海外協力隊の資料について、JICAの青年海外協力隊事務局・研究所・図書館に赴いて収集したほか、JICA関係者に対する聞き取り調査を行った。特に青年海外協力隊初期の元隊員であり、UNVに参加した初の日本人ボランティアである方の面識を得て聞き取り調査を行ったことは大変有益であった。 他国の事例については主に米国の資料を収集し、それを踏まえて、2020年3月に米国ワシントンの公文書館やボストンのケネディ図書館で資料収集を行う予定であったが、新型コロナウイルスのため米国への渡航ができず、調査は延期となった。韓国、英国、ノルウェーに関しても文献収集を進めた。ノルウェーとの関連では、同じ北欧のスウェーデンの国際開発ボランティアの事業についても、調査を進めた。 国際政治理論や国際政治史に関する調査も開始しており、「アイデア」普及や構成主義のほか、1960年代の国際政治の動向に関する文献を収集し、研究動向の調査を行った。 各国の国際開発ボランティア事業が多くのボランティアを派遣しているアフリカの開発問題について理解を深めるべく、8月に横浜で開催されたTICAD7に参加し、政府・国際機関・NGO関係者による議論を拝聴した。 成果発表としては、国際ジャーナルVoluntasに共著英語論文を掲載したほか、11月の日本国際開発学会において、協力隊のソーシャル・キャピタル形成に関する共同研究について発表を行った。なお、青年海外協力隊に関する研究代表者の編著作『青年海外協力隊は何をもたらしたか』が国際開発学会の特別賞を受賞した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
文献調査や聞き取り調査および文献の分析はおおむね順調に進展しているが、海外での文献調査がコロナ問題のため実施できなかったため、「やや遅れている」と評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も文献収集や入手した資料の分析を進めて行きたい。コロナウィルス問題で海外出張が難しい場合は、米国や英国の公文書館に対してインターネットによる資料取り寄せサービスの可能性を探っていきたい。 国際政治理論や国際政治史に関する文献調査や読解は国内でも進められるので、コロナウィルスのため国内外の出張を伴う調査が難しい場合は、こちらを優先して実施していく。 ある程度調査が進めば、国際開発学会や国際政治学会での発表も積極的に行っていきたい。さらには海外の学術雑誌への投稿も念頭に研究を進める。
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Causes of Carryover |
コロナウィルス問題のため2020年2ー3月に予定していた米国公文書館での資料調査を延期せざるを得なくなったほか、国内の資料収集も延期を余儀なくされた。このため次年度使用額が生じた。 今年度のコロナウィルス問題の動向を見ながら、海外調査の実施を検討していきたい。また国内調査は比較的実施しやすいと考えられるので、なるべく進めて行きたい。こうした出張費として、次年度使用額を充てたいと考えている。
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Research Products
(3 results)