2021 Fiscal Year Research-status Report
The historical origin of the International development voluntary service and the diffusion of idea: Western and Asian cases
Project/Area Number |
19K12496
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岡部 恭宜 東北大学, 法学研究科, 教授 (00511445)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 国際ボランティア / 青年海外協力隊 / JICA / 開発協力 / 米国平和部隊 |
Outline of Annual Research Achievements |
3年目である令和3年度は、コロナ感染対策に最大限の配慮をしつつ、国際開発ボランティア事業について以下の研究活動を実施した。 まず、資料・文献調査であるが、感染拡大のため海外での調査ができなかったため、日本の青年海外協力隊については、主にJICA緒方研究所で一次資料の収集を行った。またJICA青年海外協力隊事務局の協力を得て、公開可能な資料も入手した。諸外国の国際ボランティア事業については、先行研究文献やインターネットによる資料収集が中心となったが、米国平和部隊、ノルウェー(FK-Norway)、英国VSOの事例に関して調査を行った。他方、人の移動がパブリックディプロマシーにもたらす影響を論じた先行研究を参考に、日本人ボランティア派遣が及ぼす日本イメージや外交関係への影響についても調査を開始した。 次に、昨年度に引き続き、青年海外協力隊事務局の事務局長をはじめ幹部への聞き取り調査(対面)も行った。また、これも昨年度に引き続き、他大学やJICAの研究者および実務家10名ほどが参加するオンライン研究会を組織し、研究交流や研究発表を行った。さらに日本の外務省、内閣府、国土交通省、インドネシア、フィリピンの在京大使館を訪問して、援助の実施と受け入れ状況についても聞き取りを行った。 研究成果としては、青年海外協力隊をテーマとした英語書籍の出版に向けて、JICA緒方研究所の協力をえて、準備を進めた。書名は国家が実施する開発ボランティア事業に着目して、「State-sponsored international volunteer service」(仮)とする予定である。書籍は私が編者となり(同時に章も執筆)、大学の研究者、JICA職員、海外の大学研究者に寄稿してもらっており、令和3年度は編者として各原稿の精読、修正依頼を行った。また昨年度に引き続き英語論文の執筆も進めた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ感染対策のため海外調査を実施できておらず、オンラインの聞き取り調査やインターネットおよび国内関係機関での資料収集で不足分を補っているものの、やはり現地調査ができないために、進捗状況はやや遅れていると言わざるを得ない。
|
Strategy for Future Research Activity |
依然として海外調査を実施できる状況にないため、オンラインによる調査やインターネットによる資料収集を継続する予定である。特に米国公文書館はインターネットでの史料調査も可能であるため、海外の国際ボランティア事業については米国平和部隊の調査に重点を置く予定である。同時に、JICA所蔵の資料が有用であることが分かってきたので、これを最大限に活かそうと考えている。 成果発表としては、最終年度には現在準備中の英語書籍について全ての原稿を出版社に提出したいと考えている。また、執筆中の英語論文を完成させ、国際ジャーナルに投稿する予定である。
|
Causes of Carryover |
海外調査を予定どおり実施できなかったため旅費をあまり使用せず、次年度使用額が生じた。今年度は感染状況が収束または落ち着いた場合に海外調査を実施する予定であり、その際に旅費として使用したい。
|
Research Products
(2 results)