2020 Fiscal Year Research-status Report
道の駅を拠点とした観光振興モデルの構築と経済効果に関する研究
Project/Area Number |
19K12563
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
麻生 憲一 立教大学, 観光学部, 教授 (90248633)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
津田 康英 奈良県立大学, 地域創造学部, 准教授 (10275349)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 重点「道の駅」候補 / 健康まちづくり拠点 / 危機管理 / リスクマネジメント |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、「道の駅」のコミュニティビジネスの拠点としての現状や課題を精査し、「道の駅」設置と地域振興策との整合性を検証すると共に、危機管理に対応した「道の駅」の運用システムのあり方を検討することである。 研究計画は、事前研究、現地調査、事後研究から構成される。2020年度は、2019度に続き「道の駅」の現地調査を中心に実施した。調査地域としては、秋田県(1駅)、山形県(20駅)、福島県(1駅)、千葉県(1駅)、岐阜県(23駅)、広島県(5駅)、香川県(15駅)、大分県(10駅)の合計76駅である。これまで調査件数が比較的に少なかった山形県、岐阜県、大分県を中心に「道の駅」の視察を行った。2019年度は、現地調査において駅長、現地スタッフへの取材なども実施してきたが、2020度はコロナ禍の影響による三密を避けるため原則的に対面での取材は自粛した。感染予防の安全性が認められた千葉県の重点「道の駅」候補である「保田小学校」に限定して取材を行った。「保田小学校」は廃校を活用した健康まちづくり拠点としての「道の駅」であり、地域振興の拠点として一つのモデルを示している。2020年度の事前研究では、これまで現地調査を行ってきた「道の駅」の資料を整理し、取材内容を取り纏め、今後視察する調査対象地域の絞り込みを行った。事後研究では、現地調査を行った対象地域から得られたデータを新たに追加し、統計分析用のデータベースを整備・構築した。それらの成果を研究会等で報告した。研究スケジュールとしては、9月、11月、2021年3月に現地調査、そして、その前後の期間で事前・事後研究を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の特色の一つは、現地調査として「道の駅」が設置されている地域に出かけ、そこでの地域拠点としての実態や課題などを明らかにすることである。しかし、2020年度は、コロナ禍の影響により緊急事態宣言が発出され、外出自粛が求められたことにより、前半は現地調査をほとんど実施することができなかった。9月以降、現地調査を進めてきたが、感染予防のため対面での取材を自粛し、視察に重点を置いた。そのため研究報告に結び付く十分な資料やデータを収集することができなかった。また、観光系の学会も多くが中止や延期となり、これまで発表してきた研究報告の場も失われた。その意味で、今年度は現地調査での取材1件、学会報告1件にとどまった。なお、2020年度の論文については、本数は少ないが、2022年3月に研究実績を纏めて著作物として出版を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策としては、2020年度と同様に、事前研究、現地調査、事後研究に沿って研究を進めていく予定である。事前研究では、これまでの現地調査のデータや資料を精査し、整理したうえで、データを補充していく調査対象の地域を絞り込む。特に、特定テーマ型「道の駅」、重点「道の駅」、重点「道の駅」候補が登録された地域で、まだ十分な現地調査が実施できていない北海道の道東エリア、栃木県、群馬県、和歌山県、福岡県を調査対象と考えている。また現地において質問紙によるアンケート調査も予定している。事後研究では、現地調査で得られたデータや取材内容を精査し、定量・定性データに置き換え、地域特性を分析したうえで、学会発表などを通じて精緻化を行う予定である。そして、地域振興の拠点として「道の駅」を効果的に活用するためのモデルを提示する。 なお、コロナ禍の影響で校務が多忙となり、本研究に十分な時間を避けないため、2021年度は、代表者と分担者の2名体制から分担者を1名追加して3名体制で本研究を実施する予定である。緊急事態宣言が今後とも発出される場合、視察先を限定し、これまでに収集したデータ・資料等を整理し、データの分析を行い、論文・著書作成に時間を充てる。2021年度は本研究の最終年度であるが、場合によっては1年の延長も考えている。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の影響により当初予定していた「道の駅」の現地調査を十分に行うことができず、旅費の未使用額が発生した。 2021年度は北海道の道東、栃木県、群馬県、和歌山県、福岡県の「道の駅」の現地調査旅費と現地において実施する質問紙によるアンケート調査のための人件費、印刷費などの支出を予定している。
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