2021 Fiscal Year Research-status Report
Research on the fiscal bases of the municipalities at the tourist areas for achieving the sustainable regions
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19K12577
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
太田 隆之 静岡大学, 人文社会科学部, 准教授 (50467221)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 観光のダイナミズム / 持続可能な発展 / 観光地 / 財政的基盤 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、観光地において中・長期的なタームで起こる観光需要の変動である「観光地のライフサイクル」仮説と、短期的な観光需要である季節変動が観光地と観光地自治体の財政に与える影響に注目し、その実態を明らかにするとともに、「持続可能な観光地」の実現に向けた観光地自治体の財政的基盤を検討することを目的にしている。2021年度は、これまでに集めてきた資料を元に構築したデータセットに基づいて研究を進めながら、対象事例とする静岡県伊豆地域における観光経済のダイナミックな変化の中での自治体の財政運営に関する調査を行い、財政運営の方針や実情を把握するとともに、新型コロナウイルスの感染拡大による経済への影響、そして自治体財政への影響に関する検討を行う予定であった。しかし、当年度もまた新型コロナウィルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言の発出や、静岡県ならびに静岡大学のコロナ禍における不要不急の移動を自粛するルールが適用されたこと、また公立図書館の利用について制約がかかったことで、調査の実施や資料収集に取り組むことが難しくなった結果、当年度もまた研究スケジュールの大きな変更を余儀なくされた。そうした中で、当年度はできることに注力し、2019年度に実施した伊豆地域の調査で把握した地方行政のデジタル化への対応の結果を活用した英文論文を執筆し、査読を経て受理された。本論文は東アジアにおけるデジタルトランスフォーメーションをテーマとする洋書で今後公刊予定である。また、コロナ禍にあった2020年度の財政データが公表されたことで、対象地域の自治体財政の運営状況を比較検討するための作業に取り組んだ。今年度もまたドイツ・ボン大学で開催される予定で検討されていた研究会に参加できなかったが、論文執筆の準備は進めることができ、2019年度からの取り組みを継続することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2021年度もまたコロナ禍の影響を強く受けて研究スケジュールの大幅な変更を余儀なくされた。研究対象である事例地での聞き取り調査が十分にできなかったことがまず挙げられる。更に、また国会図書館等での資料収集も十分にできなかったことから、研究の進展に大きな制約がかかった状況を脱せられなかった。唯一、本研究に取り組む中で得られたデジタル化対応への成果をまとめた論文が受理されたのみで、今年度も研究成果の公表、公刊についてはめぼしい成果を挙げることができなかった。 しかし、上述の通りコロナ禍が本格化した2020年度の財政データが広く公表されたことで、中長期的な視野で観光地の動態的な変化を検討する「観光地のライフサイクル」仮説からコロナ禍の状況を新たに検討する視点を得ることができた。また、前年度から取り組み始めた「地方行政のデジタル化」についての成果をまとめたことで、この論点を含んだコロナ禍の行財政運営の取り組みを先に進めることができた。後者のテーマは本研究が掲げてきた国際的なネットワークの構築に関わる取り組みであり、2019年度からの取り組みを継続することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
ワクチンの接種が日々進展していることもあり、2022年度に入って新型コロナウィルスをめぐる状況は以前とは異なり、移動についての制約が大きく緩和された。今なお感染拡大が止まらない状況はあるが、感染予防について細心の注意を払うとともに、コロナ禍における国、県、本学のルールを踏まえて、調査ならびに資料収集を行っていく。これまでに収集した資料やデータをもとに学会報告等を行って観光地自治体の財政運営に関する研究成果の公表を目指すとともに、「地方行政のデジタル化」を含むコロナ禍ならびにポスト・コロナにおける行財政運営についても調査や資料収集を行い、研究に取り組んでいく。 ドイツ・ボン大学の研究者との研究交流は引き続き進めていく。本テーマに関する研究成果の報告を少なくともオンラインで行っていきたいと考えているが、ワクチン接種ならびにコロナ禍の状況に大きな進展が見られれば、ボンに行って研究交流を進めていきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、当初の計画通りに調査や研究交流ができず、旅費が利用できなかったことがある。新型コロナウィルスの感染拡大により予定していた調査ができなくなるとともに、ドイツに渡航してボン大学での研究交流の機会を得ることができなかったことが要因である。 今後の利用計画については、旅費について、新型コロナウィルスの感染状況と国、静岡県、静岡大学の移動に関するルールを踏まえて、限られた機会の中で調査を行っていく。ドイツへの渡航の可否については、日独のワクチン接種ならびに新型コロナウィルスの感染状況、そして両国間の渡航に関するルールによることから、確実に渡航するとは言えない。まずはこれらの状況の把握に努めていきたい。
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Research Products
(1 results)