2020 Fiscal Year Research-status Report
超高齢社会に対応した触知性を組み込み可能にするユニバーサル・ピクトグラムの開発
Project/Area Number |
19K12685
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Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
上田 篤嗣 岡山県立大学, デザイン学部, 助教 (90382366)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
滝本 裕則 岡山県立大学, 情報工学部, 准教授 (10413874)
澤田 陽一 岡山県立大学, 保健福祉学部, 助教 (50584265)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ピクトグラム(絵文字) |
Outline of Annual Research Achievements |
ピクトグラムとは「絵文字」とも呼ばれ、意味するものの具体的な形状やイメージを用いて、その意味概念を理解させる視覚サインの一つである。このよく見慣れたピクトグラムを触知化(凸化)し、既存の点字を基本とする触覚情報設備や音声情報設備と併設して目的地を示したり、そこに至るまでの道々に設置したりすることで、点字を理解できないユーザーへの快適な移動情報の伝達を容易にするものと考えられる。本研究では、習得が困難である点字等の手指サイズに対して比較的小さい触知ツールに代わる「触知ピクトグラム」の利用可能性を検討する。 具体的には、(1)注意を惹きやすい形態特性をボトムアップ的に評価可能な計算論的モデル「顕著性マップ(Saliency Map)」の適用と、(2)意図や選好等の経験の蓄積によって無意識的に駆動されるトップダウン的に評価可能な視線計測の評価、そして、(3)視覚と触覚モダリティ間のミスマッチ、いわゆる「錯触」の特徴と程度の評価をもとに、(4)視覚情報のみならず触覚情報をも提供可能で、触知しやすく理解しやすいユニバーサル・ピクトグラムを制作・開発する。 2年目は、初年度に引き続きそれぞれにおける視線計測及び視覚と触覚モダリティ間のミスマッチ(錯触)の補正と触覚と視覚における誤差を評価する被験者実験を継続して行った。実験手法は、特に問題点が見つかることはなく順調である。しかしながらコロナの拡大状況に伴い、計画どおりに被験者実験数が思うように捗っていない。主に現在までの被験者実験で取り終えているデータの解析を徐々に進めているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
現在まで取り終えているデータの解析は進んでいるが、コロナの拡大状況に伴い被験者実験を行うことが難しい状況となり、本来予定していた被験者数に達していない。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ感染対策を徹底しながら出来るだけ被験者実験数を増やしていく予定である。今年度もコロナの影響等により被験者実験がさらに難しくなる場合は、昨年度に引き続き、現在まで撮り終えている視線計測及び視覚と触覚モダリティ間のミスマッチ(錯触)の補正と触覚と視覚における誤差の両データの解析を行う。また、昨年度同様にSaliency mapによる計算論的モデルとの統合を実施し視認性と顕著性を相補的に評価し、視覚的顕著性と触知認知性の相違点の検証を実施していく。
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Causes of Carryover |
コロナの影響等により当初予定していた被験者実験が捗らずに機材等の準備費が大幅に余ったために残額が生じた。コロナ状況が緩和すれば実験室外での実験も想定した実験機材を準備する予定である。また、より精度の高い実験が順調に進むように評価・解析に関する作成費、および被験者費や謝金に使用し本研究を前年度以上に深めていきたい。
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