2021 Fiscal Year Research-status Report
文理融合型学際領域の形成に関する構造分析: 図書館情報学を事例とした実証研究
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19K12702
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
宮田 洋輔 慶應義塾大学, 文学部(三田), 助教 (90568081)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 図書館情報学 / ドメイン分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,図書館情報学分野を事例として,文理融合型の学問分野が形成される過程とその特徴を明らかにすることを目的としている。 本年度は,昨年度に引き続き,図書館情報学分野自体を論じた研究論文において図書館情報学分野がこれまでどのような視点から論じられてきたか,に関する質的な内容分析を行った。前年度に報告したようにこの研究ではこれまでに,図書館情報学分野は,分野の黎明期から学問分野としての確立に対する強い視点を持ち続けながら,その視点がより焦点化されていっていること,また常に自身の分野を俯瞰的に眺める視点を持ち続けてきたことを明らかにすることができている。本年度はさらにその視点同士の関係性を明らかにできないか取り組んでいた。 また,日本の図書館情報学研究の形成過程を把握するために,三田図書館・情報学会研究大会での学会発表に関するデータベースを作成した。これまで日本の図書館情報学分野で未整理であったデータの組織化に取り組んだ。詳細な分析には至っていないが,同学会の学会誌に掲載された論文と比較してやや異なる傾向が窺えることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
図書館情報学分野自体を研究する視点に関する研究では,視点の析出までは進んでいるもののさらなる分析に大きな時間がかかっており,全体の進捗に遅れが生じてしまった。 一方,学会発表データベースに関しては,入手可能なデータに関しては整理することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
図書館情報学分野自体を研究する視点に関する研究を完成させる。その上で,そこで析出された各視点に関して,テキストマイニングや機械学習の手法などを応用しながら,さらなる分析を試みる。そのために,図書館情報学分野の論文データを収集作成したい。 また,日本の図書館情報学分野についても,未整理のデータの組織化を行っていきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
計画段階から利用できるデータに変更があったこと,コロナウィルス感染症拡大の影響で国内外への出張旅費の支出がないことなどから,助成金の使用が抑えられているため繰越が生じている。データ作成及び分析用の機器整備に使用することを検討している。
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