2019 Fiscal Year Research-status Report
生体計測した活性酸素種(ROS)を指標としたアトピー性皮膚炎評価法の開発
Project/Area Number |
19K12758
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
江藤 比奈子 九州大学, 先端医療オープンイノベーションセンター, 特任助教 (30557632)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | ニトロキシルラジカル / DNP-MRI / 15N ニトロキシルラジカル / 酸化ストレス / アトピー性皮膚炎 / CoQ0ラジカル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、複数のラジカルプローブを用いてDNP-MRIで生体計測したROSなどの酸化ストレス情報から、アトピー性皮膚炎の炎症評価法を確立し、皮膚炎発症前や治療後の目に見えない皮膚組織深部の微細な炎症を検出する事を目的としている。 2019年度は、14N tempol,15N CxP,CoQ0の3種類のラジカルプローブによる、ミックスプローブの調整を行った。ニトロキシルラジカルである14N tempol,15N CxPはそのままラジカル濃度調整可能であるが、CoQ0は酸化型(キノン型)試薬をNADHとの反応で一電子還元させる事でラジカル型(セミキノン型)に変換してから使用する。一定の最高ラジカル濃度を得る為のCoQ0とNADHの混合比、反応時間を検討した。またESRスペクトルから3種類のプローブそれぞれの励起周波数を算出後、実際に各プローブのファントムをDNP-MRI撮像解析し、その画像強度の増減から、それぞれの最適励起周波数を探索した。14N tempolと15N CxPの励起周波数は確定したが、CoQ0のラジカルのみを画像化可能な周波数確定は苦戦している。また3種類のプローブ独自の画像化にあたり、通常よりも励起周波数が広領域化する。生体使用時の局所検出コイル周波数領域低下を考慮した、広領域周波数対応局所検出コイルを作製した。実際にマウスにミックスプローブを投与して、周波数を変えながら経時的に画像化し、それぞれのラジカルプローブ減衰速度を算出する事に成功した。更に、PMA(phprbol 12-myristate 13-acetate)の短期塗布による表皮~真皮皮膚炎モデルで、14N tempol,15N CxPによるDNP-MRI生体計測予備実験を行い、皮膚炎モデルと正常モデルにラジカル消失代謝にそれぞれ傾向を見いだす事ができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
DNP-MRI生体計測に使用するミックスプローブの調整、局所検出コイルの調整、生体の撮像条件検討は予定どおりに達成できた。並行して、次年度に使用するアトピー皮膚炎の治療モデルを確立する計画であったが、アトピー性皮膚炎モデルのマウス(NCマウス)購入施設の変更で、再度NCマウスのアトピー性皮膚炎モデル作製の基礎データ取得後に予定を変更した為、達成度はやや遅れていると評価した。
|
Strategy for Future Research Activity |
変更したNCマウスの、アトピー性皮膚炎モデル作製に関する基礎データ取得終了後に、治療モデルの確立を行う予定である。並行して2020年度実験予定の皮膚炎重症度別モデル作製とDNP-MRIデータ、in vitroでの酸化ストレスデータを取得し、それらを統合解析していく予定である。
|
Causes of Carryover |
2019年度実施予定のアトピー性皮膚炎治療モデルの確立が、マウス系統の変更により、 次年度へ延期された為、次年度使用額が生じた。2020年度に施行する事で使用する。 更に、3種類のミックスプローブの調整に関しては順調に進んだため、試薬の追加購入が2019年度には必要なかった。実際にミックスプローブを用いてアトピー性皮膚炎の評価を行う、2020年度の試薬購入で予算使用予定である。。
|
Research Products
(1 results)