2020 Fiscal Year Research-status Report
国際共通語としての英語に対する態度と外国語学習に関する実証研究
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19K13293
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
高橋 千佳 愛媛大学, 法文学部, 准教授 (30749833)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 国際共通語としての英語 / 外国語学習動機づけ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、国際共通語として英語が機能する中で、そのような英語の現状を学習者がどのように捉え、彼らの英語および第二外国語の学習動機づけにどのような影響を与えているのか、さらに、これらを踏まえた上で、英語や第二外国語を教える教員はどのようにその指導法を改善できるのかを明らかにすることを目的としている。 2020年度は、データ収集協力をよびかける予定であった大学の対面授業が新型コロナ感染拡大のため行われなかった。このため、昨年度収集予定であったデータ収集は実現せず、文献研究を中心に調査を進めた。 文献研究では、外国語学習動機づけに関する先行研究の中で、国際共通語としての英語に対する態度に関連する要因を含むものについて調査した。その結果、国内外問わず、学習者の国際共通語としての英語に対する態度には前向きなものが多く、そのような前向きな態度が英語学習動機づけにもプラスの影響を与えているという報告が多くみられた。その一方、英語以外の外国語学習動機づけについては、多くの場合、国際共通語としての英語がマイナスの影響を与えており、複数の外国語を学ぶ難しさや、英語が共通語であることで多くの学習者が英語を優先して学習する様子が浮き彫りになった。さらに、国内の研究については、そもそも英語以外の外国語学習動機づけについての体系的研究が非常に少なく、国際共通語としての英語がそれらの言語の学習動機づけに与える影響もほぼ明らかになっていないことがわかった。先行研究では、英語が国際共通語であることでもたらされる実利や優位性のみに学習者が着目している傾向もみられ、文献研究を通じて、研究者自身が、「実利」「優位性」といった観点からではない考察を行うことが必要であり、特に英語以外の外国語学習動機づけについても国内での実証研究を進めることで動機づけ理論のさらなる発展をも目指すべきであると指摘した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2020年度は予定していたデータ収集が新型コロナ感染拡大のため実施できなかった。このため、全体の進捗状況としては遅れており、昨年度予定していたデータ収集を今年度行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は、2020年度に実施できなかった質問紙およびインタビュー調査を行う予定である。
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Causes of Carryover |
2020年度にデータ収集が行えず、当初想定していた謝金等が発生しなかったため。この謝金については2021年度に使用予定である。
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