2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K13370
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Research Institution | Dokkyo University |
Principal Investigator |
小宮 秀陵 獨協大学, 国際教養学部, 専任講師 (30802011)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 東アジア / 東亜 / 韓国学 / 冷戦 / 近代化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は韓国における東アジア論の成立と変容を、集合的記憶という考え方を手掛かりに、当時の社会的背景に関するインタビューと文献調査を行って明らかにするものである。初年度に該当する2019年度は、1960年代東アジア論成立の国際社会的背景を明らかにするため、1)文献資料の分析、2)資料調査・インタビュー実施のための意見交換、3)成果の発表を行った。 1)文献資料の分析:文献資料の分析を通じて研究を行う際に必要な理論の深化を試みた。記憶の理論に関する研究書および日本・韓国の東アジアに関する論著、1945年以後、韓国の東洋史学研究に関与した研究者の回顧録、著作集などを収集して読み進め、1960年代の韓国のアジア研究の状況を整理した。 2)資料調査・インタビュー実施のための意見交換:韓国のソウル大学校中央図書館を中心に調査を行った。図書館内古文献資料室の資料調査で、1950年代から1960年代の東アジア研究関連の論文、韓国の諸大学のアジア研究機関や学会に関する資料を収集した。またインタビュー実施のために必要な意見交換も行った。これについてはソウル大学校、中央大学校、そして東国大学校の教員とインタビュー関連の打ち合わせおよび情報交換を行い、結果として1960年代以降韓国の学界で理解されていた東アジアに関する空間概念を再考する手がかりを得た。 3)成果の発表:韓国で収集した資料等をもとにしてその内容を整理し、一部を論文において発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
韓国での資料調査や意見交換を行うことができたが、新型コロナウイルス感染症の拡大・流行によって、韓国でのインタビューが延期になった。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度も当初の研究計画に沿って研究を行う予定である。ただし、今後新型コロナウイルス感染症の拡大・流行の状況によって、日韓の往来、韓国で直接インタビューを行う際に支障が生じる可能性もあり、インタビューについては変化する日韓の状況を注視しつつ対応することにする。あわせてインタビューの不足を補完する方策も検討する。
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