2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K13370
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Research Institution | Dokkyo University |
Principal Investigator |
小宮 秀陵 獨協大学, 国際教養学部, 専任講師 (30802011)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 史学史 / 韓国史 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、昨年度末からの新型コロナウイルス感染症の拡大・流行に伴い、韓国での現地調査が実施できなかった。そのため、現地調査やその他発表などは翌年度に実施するようにし、前年度から行ってきた文献資料の分析に集中的に取り組むようにした。 文献資料の分析では、韓国における史学史の研究書と1960年代~1980年代の東アジア史関連の研究書を読解しながら、研究成果を整理し、東アジアの概念を検討することにした。具体的に行った作業はおもに以下三つになる。 1)東洋史と韓国史の関連性という観点から、韓国における史学史の研究成果を読み解くようにし、冷戦期における韓国史学(特に対外関係史)の研究動向の特色を分析した。 2)1960年代から1980年代にかけて、韓国国内の研究書で東アジア空間を表現する用語、具体的に東亜・東洋・東方・東アジアの使用例とその特色について、整理した。 3)1)及び2)の研究書やその他東アジア関連の研究成果のなかで、「朝貢」から「朝貢・冊封」という表現に代わっていく事例やその背景について分析した。 本年度は、1)及び2)の分析が中心となった。1)に関連して、近年、研究者の史観を再照明した成果が出ていることを確認し、2)についても近年概念を示す用語を批判的に読み直す研究が進んでいることも確認した。3)の課題については、大まかな流れは明らかになっているが、一層考察を深化させる必要がある。来年度は、1)~3)の分析をもとに、発表などを行う計画である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は文献資料の分析は進んだ。ただし、新型コロナウイルス感染症の拡大・流行によって、韓国での調査が行えなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
韓国での現地調査ができるか不透明であるため、今後はインタビューの不足を補完する方策として、回顧録などの資料も積極的に援用し、当時の状況に対する理解の不足を補いつつ研究を進める。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、今年度も昨年度末からの新型コロナウイルス感染症の拡大・流行に伴い、韓国での現地調査が実施できなかったことによる。次年度に韓国での現地調査および資料収集に使用する計画である。
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