2021 Fiscal Year Annual Research Report
Transformation of banner officials' society in late-Qing
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19K13377
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Research Institution | Tama University |
Principal Investigator |
水盛 涼一 多摩大学, 経営情報学部, 准教授 (20645816)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 官僚制度 / 人事査定 / 旗人社会 / 少数民族政策 / 近代化 / 歴史認識 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、中国の近代を当時の“支配民族”出身の一般的官僚の動態から観察することにある。“支配民族”とは主に満洲族やモンゴル族、および興隆期に政権へ助力した一部の漢族を指す。彼らは清朝の建国に功績を挙げ、官僚の重要な供給源となった。しかも彼らはしばしば中央や地方の枢要な地位に在って政治動向に影響を与えたのである。それにもかかわらず、彼ら少数民族官僚の実態は長らく曖昧であった。そこで、新発見にかかる清朝後期の旗人官僚名簿の整理と分析、新たに公開された彼ら支配民族の作成した文書の内容分析と送信側・受信側の関係性調査といった作業を通して解明を目指したものである。 そこで、2019年度および2020年度購買にかかる『八旗文献集成』第二輯(全30冊、日本に初めて将来)・『佛満洲家譜精選』・『満族碑石』に続き、さらに同治十一年三月二十三日(1872年4月30日)から1949年まで刊行された上海の新聞『申報』のうち清朝部分を購買し、調査分析を行った。なお東京大学東洋文化研究所では、光緒年間浙江省での製作にかかる『文武各官履歴』すなわち表題『文武官員履歴』(1帙4冊、大木-總類-官制-2-14)に価値を見いだし、府庁、知県、塩務、武職各官の実態調査を行い得た。なお東北史学会2021年度大会(2021年10月3日)では「教学における考試と課本の政治性」と題して、支配民族の存在にかかわる当時の支配体制について後代の理解を問い、また『経営情報研究』第26号(2022年1月刊)に「追思と洞察」と題して現状での到達点を報告できた。
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