2021 Fiscal Year Research-status Report
南米コロンビアの都市避難先住民から見る「多文化主義」をめぐる人類学的研究
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19K13472
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
近藤 宏 神奈川大学, 人間科学部, 准教授 (20706668)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 国内避難民 / 先住民 / コロンビア / 多文化主義 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、コロンビア人研究者による国内避難民についてのエスノグラフィーや社会学的研究のほか、コロンビアでの現地調査に基づく民族誌に見られる国内避難民の記述を集め、現地調査の成果と比較可能な論点を探ることを試みた。この作業を通じて、国内避難民に対する社会的偏見という論点が浮かび上がった。その成果は、2022年度に学会発表のかたちで報告する予定になっている。 加えて、国内避難民となった先住民が避難先の都市部で行なうアイデンティティの提示について、難民をめぐる人類学的研究における境界性という主題やその分野における古典であるマルッキによる研究(1995)を参考にして考察した。その成果は、2021年度に学会発表のかたちで報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年度も、2020年度同様、covid-19の影響のために、コロンビアでの現地調査を行うことができなかったため、研究の進捗には遅れが生じている。一方で比較すべき先行研究の範囲を広げ、論点を考え直すことで、調査事例を考察する視点、論点を多角的にするように努めている。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、年度末に現地調査を行う予定を立てている。それまでは、これまで学会発表のかたちでまとめてきた成果を、文章のかたちにまとめる作業に着手しながら、現地調査で新たに調べるべきことを整理する。現地調査について、遅れが生じているため、研究機関の延長申請も検討しながら、作業を進める。
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Causes of Carryover |
covid-19の影響で、予定していた現地調査が実施できずにいるため。
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