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2020 Fiscal Year Research-status Report

電子的媒体の改ざんに対する刑事処罰の在り方-ペーパーレス社会における偽造罪の役割

Research Project

Project/Area Number 19K13537
Research InstitutionTokyo Metropolitan University

Principal Investigator

山科 麻衣  東京都立大学, 法学政治学研究科, 准教授 (30758256)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2022-03-31
Keywords電磁的記録不正作出罪 / 偽造罪 / 刑法
Outline of Annual Research Achievements

電子的媒体に対する改ざん行為を処罰する方策の中で、現行刑法が文書偽造罪と同様の保護を与えることを意図したのが電磁的記録不正作出罪である。電磁的記録は、オンライン社会において文書に代わり広く証拠として活用されている実態があり、その重要性は増す一方である。そこで、電子的記録の不正な改ざん行為につき、現在の電磁的記録不正作出罪で適切な処罰範囲が確保されているのかを検討するにあたり、現状いかなる場合に適用されているのかを調査した。
その中で、特に東京地判平成31年3月15日(LEX/DB25562725)事件において、電磁的記録不正作出罪の成否が問題となっていたことから、同裁判例を素材としてその解釈適用上の問題点を探った。その結果を、法学会雑誌61巻1号141頁において公表しているが、電磁的記録不正作出罪においては、電磁的記録の特質に配慮しその明文規定を文書偽造罪とは異なる内容としたことにより、いかなる場合を「不正」作出と認めるかにつき重要な問題を抱えていることがわかった。立法段階においても現在の解釈としても、作出の「不正」性についてはシステムの設置運営主体の意思に照らして判断されることになっているが、その主体の意義や意思内容をいかに認定すべきかについては明確な結論が出されていない。同事件においてもこの点が争われており、その後高裁の判断が出されたところであるが、不正作出の解釈問題については更なる検討が必要な状況である。
電磁的記録にかかわる不正行為について、いかなる範囲を処罰し、又はしないのかを考えるに当たって、電磁的記録不正作出罪の解釈と適用範囲の明確性は重要であり、現在までの調査を前提に、さらに検証を進めている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

産休・育休を取得したことにより、その期間研究を中断したため。

Strategy for Future Research Activity

中断事由の終了に伴い、今年度改めて当初の研究計画内容に従った研究を進める。特に1年目に十分進めることができなかった英米におけるデバイス、電磁的記録の保護方策についての調査を進め、論文を執筆する。

Causes of Carryover

年度途中から産休・育休を取得し研究を中断したため、本来の計画通りの使用を行うことができなかった。研究の再開により、元々の計画に従った使用を行う予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2020

All Journal Article (1 results) (of which Open Access: 1 results)

  • [Journal Article] 電磁的記録不正作出罪における「不正」作出の意義-東京地判平成31年3月15日(LEX/DB 25562725,LLI/DB L07430067)2020

    • Author(s)
      山科麻衣
    • Journal Title

      法学会雑誌

      Volume: 61 Pages: 141,157

    • Open Access

URL: 

Published: 2021-12-27  

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