2019 Fiscal Year Research-status Report
体制変動期における正統性調達に関する理論的・実証的研究
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19K13590
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
湯川 拓 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (80728775)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 体制変動 / クーデタ / 革命 / 選挙監視 |
Outline of Annual Research Achievements |
本プロジェクトは、「正統性」という政治学の中核的な概念に注目し、革命やクーデタなどによって体制変動を引き起こした主体が、自らの行為あるいは自らが権力の座についたことをどのように正当化するか、という点について新たな理論構築と実証分析を行うものである。 初年度に当たる本年度は、主にクーデタについて多面的に考察した。第一に、クーデタを起こした主体(ほとんどの場合は軍)がそれをどのように正当化してきたという点について、1975年から2010年までの全ての成功したクーデタを対象にデータセットを作成した。自作したデータからは2本のペーパーを執筆し、一本は既に査読付き国際ジャーナルに掲載された。もう一本はやはり査読付き国際ジャーナルにおいて査読中である。 第二に、クーデタと抗議デモの関係性について、仮説を構築しそれを計量分析によって実証するという研究を行った。すなわち、抗議デモのさなかにクーデタを起こすと、軍にとっては民意に支えられた行動であるという正当化が容易になる、という議論である。このような傾向は特に冷戦後に顕著であることが示された。この研究についても既にペーパーとしてまとめ、査読付き国際ジャーナルにおいて査読中である。 次に、革命の正当化についてもデータを収集した。特に、革命を起こした主体が自らの行為をどのようンフレーミングしたのかについて分析を行った。こちらも、既にペーパーとしてまとめ、査読付き国際ジャーナルにおいて査読中である。 さらに、選挙監視については監視レポートのテキスト分析を進めている。こちらはデータの収集と前処理は終わり、分析にとりかかっているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
複数の研究に着手・具体化できたという意味で非常に順調に進んでいるといえる。 既に比較的レベルの高いジャーナルにおいて論文が掲載され、さらには「Under Review 」のものが4本あり、近々投稿できそうなものも複数ある。 初年度からここまでの数の投稿は予想しておらず、計画以上の進展であると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは、次の大きな研究として選挙監視レポートのテキスト分析が挙げられる。 こちらはテキストそのものを自然言語処理と機械学習の手法で分析する研究以外に、そこで得られた知見をもとに応用的な研究も行う予定である。例えば、どのようなタイプの監視レポートが、選挙後に抗議デモを惹起しやすいのか、といった点である。これらは2020年度内に投稿までもっていきたい。関連して、海外の選挙監視団へのインタビュー調査も行いたいと考えている。 この他、クーデタと革命についてもまだ具体化していないアイディアがあるので、そちらも並行して進めたい。
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Causes of Carryover |
本来は旅費により多くの金額を割くことを想定していたが、他の作業が予想外に順調であったために出張にまで手が回らなかった。 そのため予算にあまりが生じたが、これについては次年度に出張費として使いたい。 。
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Research Products
(2 results)