• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2021 Fiscal Year Research-status Report

体制変動期における正統性調達に関する理論的・実証的研究

Research Project

Project/Area Number 19K13590
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

湯川 拓  東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (80728775)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2023-03-31
Keywordsクーデタ / 選挙監視 / プロテスト
Outline of Annual Research Achievements

全4年間のプロジェクトの3年目に当たる2021年度は、研究が次々に成果としてまとまり、査読付き学術雑誌へと投稿することができた。
第一に、プロテストとクーデタの連関についての研究である。本プロジェクトは体制変動期における正統性の調達を分析するものであるが、その際には市民が行う大規模プロテストの有無というものが重要になってくる。まず、そのようなプロテストの最中でクーデタを行うことである種の「民意」を調達したという形を作ることができるという理論を計量分析と事例分析で実証した論文が刊行された。さらに、独裁者の側からすると、プロテストを抑圧するかどうかという点が体制維持や権力を失った後の安全性においては決定的に重要になる。そのような観点から、どのような場合に独裁者がプロテストを抑圧するのかについての理論的な研究が査読付き学術雑誌に掲載された。
第二に、選挙監視レポートのテキスト分析についてである。こちらは論文としてはまとまり投稿したものの、いまだに査読を通過するには至っていない。改稿を重ねたうえで、現在も査読中の状態にある。
第三に、亡命についての研究を開始した。亡命した後にどのような末路をたどるかについて新たなデータセットを構築したうえで、どのような場合に「恵まれた亡命」になるのかという点を理論的に考察した。こちらは既にデータセットの構築を経て草稿の執筆まで完了している。あとは推敲を重ねたうえで投稿へと進む予定である。
その他、前年度に投稿した論文が引き続き査読中であったり、国際政治分野においてデータ分析を行うなどした。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本プロジェクトは全体としては体制変動期における正統性の調達について明らかにするものであるが、いくつかのリサーチに分けて同時並行的に研究を進めている。そして、本年度はそのそれぞれにおいて進展が見られたという意味で、おおむね順調に進展していると判断できる。
具体的には、主たる分野の全てにおいて、ペーパーとしてまとめるところまで進めることができた。その過程においては新たにデータセットを作成するという作業や、膨大なデータの前処理を行うという、非常に時間と労力がかかる作業が含まれており、その意味でこの一年でそれらを経たうえで論文を執筆するところまでいったというのは評価できる点かと思う。
さらには、査読付き英文ジャーナルにおいて論文が刊行された。具体的には、Journal of Peace ResearchとPolitics and Policyというジャーナルにおいて論文を公表した。現在査読中のものや、近い将来投稿することができるペーパーが複数ある点も含め、成果という点でも順調である。

Strategy for Future Research Activity

2022年度は4年間の本プロジェクトの最終年度にあたる。
まずは、現在抱えている論文をすべて査読に通過させることが喫緊の課題となる。現在査読中のものが2本、近く投稿予定のものが4本あるので、これらをアクセプトまで持って行くことを目指したい。
その上で、新たな研究に着手する予定もある。具体的には、選挙監視を招待するという現象についての計量分析である。体制変動後に正当性調達のために積極的に選挙監視を呼ぶということは既に指摘されてきたが、さらにそれを腑分けする形で「条件」を同定するという研究を行う予定である。
さらには、国際機構に目を転じ、国際機構が民主主義や人権と言ったリベラル規範を推進するようになるのはどのような場合かという点についての理論研究を行う予定である。まずはデータセットの構築に着手する予定である。

Causes of Carryover

新型コロナウイルスのために海外における資料収集や研究報告を行うことができず、予定していた旅費と滞在費の執行がかなわなかった。
来年度にそれらを執行する予定である。

  • Research Products

    (3 results)

All 2022

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Journal Article] Losing power safely: Explaining the variation in dictators' responses to anti‐regime protests2022

    • Author(s)
      Yukawa Taku、Hidaka Kaoru、Kubota Masanori、Kushima Kaori
    • Journal Title

      Politics and Policy

      Volume: 50(2) Pages: 274-297

    • DOI

      10.1111/polp.12461

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Coup d’etat and a democratic signal: The connection between protests and coups after the Cold War2022

    • Author(s)
      Yukawa Taku、Hidaka Kaoru、Kushima Kaori、Fujita Masafumi
    • Journal Title

      Journal of Peace Research

      Volume: - Pages: -

    • DOI

      10.1177/00223433211053187

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] Life after Exile2022

    • Author(s)
      Kaoru Hidaka, Masanori Kubota and Taku Yukawa
    • Organizer
      International Studies Association 63rd Annual Convention (Nashville)
    • Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2022-12-28  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi