2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K13658
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
本領 崇一 同志社大学, 経済学部, 准教授 (40835667)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | シグナリンゲーム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では複数エージェントのシグナリングゲームの基礎理論を構築するべく、複数エージェントシグナリングゲームのための均衡選抜の分析上の手続きを確立する事を目指している。本課題のこれまでの研究によって、かなり一般的なクラスのモデルにおいて、Kohlberg and Mertens (1986) による、均衡の頑健性(Stability)が、これまで複数エージェントのシグナリングゲームで頻繁に利用されていた、Unprejudiced Belief による均衡選抜の手続き(Bagwell and Ramey (1991)による)を要求する事がわかった。この結果は、Kohlberg and Mertens (1986) 戦略的頑健性をベースにして均衡選抜の手続きを踏む事が常となっている単数エージェントのシグナリングゲームと、複数エージェントのシグナリングゲームの分析上の手続きの間の整合性を保証する。 この結果は、論文名“Strategic stability of Equilibria in Multi-Sender Signaling Games” として、国際学術誌 Games and Economic Behaviorに掲載された。この研究結果をもちいることによって、典型的と考えられるケース(単調複数エージェントシグナリングゲーム)では、エージェントたちの持つ情報が精確にプリンシパルに伝わる均衡が唯一“もっともらしい”』ことを示すことができる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初計画よりも早く、望んでいた結果を証明することができた。この結果は、Games and Economic Behavior に掲載され、The Journal of Finance , Journal of Economic Theory, Economic Theory 等の一流の学術誌の論文に引用され始めている。
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Strategy for Future Research Activity |
証明された命題を用いた応用の論文を作成している。これも近々国際学術誌に投稿予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染症の蔓延のため、予定していた海外出張や学会参加がかなわなかったため次年度使用額が生じた。この分については、海外渡航や国内の移動が自由になり次第、共同研究を行うための費用にあてようと考えている。
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