2020 Fiscal Year Research-status Report
Economic Analysis of Market-based Environmental Policies: A Structural Estimation Approach
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19K13696
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
遠山 祐太 早稲田大学, 政治経済学術院, 准教授(テニュアトラック) (40834015)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 環境政策 / 構造推定 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、排出権取引制度や環境税など代表される市場メカニズムを活用した環境政策の経済評価のための分析フレームワークの構築及び実際の政策評価を行う。今年度は以下のような取り組みを行った。一点目として、米国の火力発電所に対する二酸化硫黄規制(US Acid Rain Program)に関する実証研究を進めた。当研究は国際学術誌から査読の上改定要求を受け、その作業を進めてきた。特に査読において指摘された企業行動のモデルについて改良を進め、その新しいモデルに基づいてパラメタの構造推定及びシミュレーション分析を行った。現在はその他に指摘された点や追加的な分析を行い、再投稿に向けて準備を進めている。二点目として、今回のプロジェクトのスピンオフとして、環境税がエネルギー効率性に与える影響に関する実証研究を進めている。経済学において、特定のインプット価格上昇に直面すると、そのインプットの利用効率性を高める形で技術進歩を進めるという「Induced innovation」という理論がある。この話を環境政策に適用すると、カーボンプライシングを行うことで企業は高いエネルギー価格に直面し、その結果としてエネルギー効率性を高めるという可能性が指摘される。この理論について実証的に評価するべく、インドネシアの製造業のデータを用いて分析を進めている。データの収集及び分析フレームワークの構築が済んでおり、現在はデータ分析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
改定要求を受けた論文の改定内容が多岐に渡るものであったためその作業に予想以上に時間がかかっているものの、再投稿への準備がほぼ完了している。また、スピンオフプロジェクトとして「環境政策が企業の生産性に与える効果に関する実証分析」も開始できている。
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Strategy for Future Research Activity |
改定要求を受けている論文については早期に再投稿を行いつつ、エネルギー生産性の実証分析を着実に進めていきたい。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響で予定していた国際学会への参加ができなかったため。
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