2021 Fiscal Year Research-status Report
The Effect of English Education and Study Abroad Experiences on (Non-) Cognitive Abilities and Labor Market Outcomes
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19K13728
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Research Institution | Meiji Gakuin University |
Principal Investigator |
李 嬋娟 明治学院大学, 国際学部, 准教授 (40711924)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 大学の国際化 / 英語学位プログラム / (非)認知能力 / 労働市場の成果 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、日本政府の「グローバル化等に対応する人材力の強化」のための政策により、国内の教育機関(特に高等教育機関)において急速に増加している「英語教育強化」に関する教育(例えば、英語(で)の授業、英語学位プログラム)に注目する。英語での授業を強化することで国際化を推進する教育(以下、国際化政策)によってどのような人的資本が蓄積され、その人的資本が日本の労働市場で成果を生み出しているかを分析する研究の一環として、次の二つの内容を研究ノートとしてまとめた。まず、日本政府が目指してきた高等教育機関における国際化政策の内容を時系列に考察し、その背景や日本の政策の特徴についても説明した。その後、2011年4月から2020年4月までのあいだに明治学院大学国際学部国際キャリア学科に入学した学生の成績データを用い、英語のみで学士を取得するために入学した学生の学習成果の決定要因について分析を行った。その要因の一つとして、英語学位プログラムにおける多様な入試形態に注目し、入試形態によって学生間に学習成果に差が存在しているかを検証した。その結果、分析に用いた英語学位プログラムで成功するためには、英語能力のみならず課題の分析力やリサーチ能力なども必要になり、これらの学生のスキルセットは入学区分によって異なることがわかった。入試形態が影響を与える理由としては、異なる入試形態を選択する生徒の間で入学前の英語の言語力と大学入学前の教育環境(主要な使用言語、教育機関が位置する国、カリキュラムなど)が異なることが考えられる。これらの入学前の違いが大学での学習態度や大学での学習成果に影響を与えるのかについて本研究課題の残りの研究期間で分析する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナの影響で海外の国際化教育に関する追加調査が出来なかったため、研究の分析をはじめ、論文としての取りまとめや、学会、研究会で研究成果を報告することがやや遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度にまとめた研究ノートでの分析に基づき、今後、英語学位プログラムにおいて、認知能力に加えて改善の可能性が高い非認知能力に重点を置いて(非)認知能力が学校教育を通じて変化しそれが労働市場の成果に影響を与える可能性について更なる分析する予定である。
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Causes of Carryover |
コロナの影響のため、国内外での現地調査やデータ収集が遅れている。そのため、研究の分析をはじめ、論文としての取りまとめや、学会、研究会で研究成果を報告することができなかった。今後、国内外での現地調査(インタビューと教育施設の訪問)とサーベイ調査を行う予定である。
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