2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K13730
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
黒川 博文 兵庫県立大学, 国際商経学部, 講師 (90811430)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 競争選好 / 内集団バイアス / 経済実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、男女で競争に対する好みの違いを説明できる要因を経済実験を行うことで明らかにした。女性の高学歴化が進んでいるにもかかわらず、女性の管理職割合が低いことの行動経済学的説明として、競争選好に着目がされている。こうした競争選好の違いは、社会的要因から生物学的要因まで様々な角度から分析が試みられている。競争選好の差異を生み出す要因を明らかにすることは、どのような制度を設計すれば女性の社会進出が促されるかを明らかにできるため、社会的に重要である。 今年度は、競争相手という環境的な要因に着目をして研究を行った。具体的には、以前よりも検証中のデータを用いて、競争相手に対する集団意識が競争選好に与える影響の男女差を検証した。最小集団条件パラダイムを用いて、集団意識を形成し、同じ集団に属する内集団相手と競争する環境と、異なる集団に属する外集団相手と競争する環境を作成した。分析の結果、競争相手の集団は、男女ともに競争選好には影響を与えないことが明らかとなった。ただし、男女ともに、外集団相手と競争するときにほうが、競争環境におけるパフォーマンスは高いことも明らかとなった。とくに、男性は外集団と競争することに対して、勝てると予想することが、パフォーマンスの上昇に結びついていることがわかった。一方で、男女ともに、競争後には、競争相手に勝てると予想する割合に、競争相手の集団意識は影響しない。データ分析が終わり、論文の執筆が順調に進んだ。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
以前から取得していた実験データの解析がすみ、論文の執筆も順調に進んだ。また、新しい実験デザインの方向性も定まった。
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Strategy for Future Research Activity |
新しい実験デザインの方向性は定まっているが、今年度は、新型コロナウイルス感染症の影響があるため、経済実験が経済実験室で行えない可能性がある。オンラインでの実験の計画など、幅広い観点から経済実験の実施を試みる。
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Causes of Carryover |
当初計画していた経済実験と同様の実験デザインの実験が、すでに論文掲載されていたことが判明したため、経済実験を行わなかった。当該年度は、新たな実験デザインを考え出すことに集中をした。新たな実験計画を立てることができたため、次年度には経済実験を行うことを計画している。
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Research Products
(2 results)