2020 Fiscal Year Research-status Report
地方創生におけるチェンジ・エージェントの役割と場の生成・発展に関する研究
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19K13777
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
根岸 裕孝 宮崎大学, 地域資源創成学部, 教授 (60336287)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 地方創生 / 場 / チェンジ・エージェント |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、外部招聘型人材(チェンジ・エージェント)の全国的な事例について調査を実施する予定でいたが、コロナ禍のため大学から県外への出張が大幅に制限されるとともに、調査対象先の受け入れも制約が大きかった。 このため、本年度は、経営学全般やチェンジ・エージェントに関連する文献資料の収集と出張可能な地域に絞って考察を行った。特に「場」の理論は、地方創生の現場において多様な主体(行政・市民・民間企業)がそれぞれの役割を担いながら協働する関係性づくりを考察するうえで応用可能な理論であり、その場の形成にチェンジ・エージェントが重要な役割を果たすことが理論的にも重要であることを確認するとともに、そしてその生成と発展の意義について理解を深めることができた。 また、地方創生においてチェンジ・エージェントが活躍した事例として著名な日南市油津商店街のその後の動向について大学院生とともにヒアリング調査を実施し、チェンジ・エージェントが任期を終えたのちに後継者が育成されつつあることを確認した。 さらにチェンジ・エージェントの事例として注目すべき事例として鹿児島県錦江町の事例について役場の担当課長よりのヒアリングと関連資料の収集を行った。 また、地方創生の推進に向けてチェンジ・エージェントの活躍が期待されるなかで、その推進の背景となる自治体におけるトップのマネジメントのあり方について経営学の視点から大学院生と共同で論文を執筆した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は、地方創生におけるチェンジ・エージェントの先進事例についてコロナ禍のため大学から出張自粛が求められるとともに訪問先における現地ヒアリング受け入れが難しいことから一部(日南市油津商店街・鹿児島県錦江町)でのみ実施することとなった。 日南市油津商店街では、任期を終えたチェンジ・エージェントの後継者の育成が進みつつあることを確認するとともに、市長のトップインタビューを実現することができた。また、鹿児島県錦江町では、役場担当課からのヒアリングとともに関連資料の入手をすることができた。また、地方創生の検証における経営学の「場」の理論の役割やその生成についても事例をふまえて検討を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度を迎えた令和3年度においてもコロナ禍の終息が見通せない状況から、先進事例の全国現地調査は重視せず、現地調査の受け入れ可能な複数地域に絞り、地方創生に向けた「場」とチェンジ・エージェントの役割を考察し、地域経営にどのように資するか明らかにする。 そのため、経営学と地域経営論に関する理論的考察特に地域における場の持つ役割とマネジメントについて考察を深めるものとする。その検証に向けて日南市油津商店街のヒアリングを継続するとともに、鹿児島県錦江町の事例考察など現地ヒアリングと理論的考察を組み合わせて研究の取りまとめを行うものとする。
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