2023 Fiscal Year Annual Research Report
地方創生におけるチェンジ・エージェントの役割と場の生成・発展に関する研究
Project/Area Number |
19K13777
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
根岸 裕孝 宮崎大学, 地域資源創成学部, 教授 (60336287)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | チェンジエージェント |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、特にチェンジエージェントとして活躍し成果をあげた宮崎県日南市役所にて民間出身のマーケティング専門官に着目して、実践経営学会第66回全国大会(2023年9月)にて『行政分野におけるイノベーションとチェンジエージェントの役割~宮崎県日南市における事例分析~』として報告、『実践経営学研究』15.pp.173‐182として掲載された。報告概要は以下のとおりである。 宮崎県日南市は、2013年に若干33歳の元県庁職員であるS氏が当選し、その公約である活力ある産業・地域の創出に向けて公民連携を進めるために登用したのが広告代理店出身のT氏である。日南市は、地方では珍しい商店街再生にIT企業誘致を掲げて成果をあげたが、その誘致の中心的役割を果たしたのがT氏である。T氏は、行政には持ちえなかったマーケティング的視点を行政分野に取り込み、公民連携にむけて多様な利害関係者が関わる「場」を設定し、自治体のブランディング戦略をはじめ、単年度主義の弊害を克服するためのPDCAからDCAPサイクルによる行政のマネジメント手法などを試みて成果をあげた。T氏によるチェンジエージェントとしての取り組みと成果について宮入(2005)のLippittら(1958)による5つの局面の紹介を踏まえて日南市とT氏の取り組みを当てはめて組織変革のスタートと達成を当てはめることができた。また、T氏が中心となった「場」についてそのメンバーや場における協議状況等を考察し、伊丹(1999)による場の理論を当てはめてその役割を分析・考察した。 さらに2024年3月の実践経営学会九州支部および実践教育部会の例会・研究会で『先進事例にみる地域運営組織のマネジメントと外部人材の役割―宮崎県西都市東米良地域の取組みから―』を報告し、地域運営組織におけるチェンジエージェントの活躍について報告した。
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