2021 Fiscal Year Annual Research Report
Textual analysis and experimental research applicable to public sector accounting
Project/Area Number |
19K13855
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
廣瀬 喜貴 大阪市立大学, 大学院経営学研究科, 准教授 (90760265)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 計算社会科学 / 計算機科学 / テキストマイニング / リーダビリティ / 行動会計 / 人工知能 / 公会計 / 電子政府 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の主題は、計算社会科学の観点から、公会計分野に適用可能なテキスト分析及び実験研究を探求することであった。研究実施計画に基づき最終年度に実施した研究の成果として、「世界主要都市が開示する公会計情報の言語的特徴:単語およびリーダビリティに関する分析」がある。これは、世界主要都市の年次報告書をテキスト分析したものである。本研究では、伝統的な会計の専門用語は、都市の公会計情報の年次報告書を代表する用語であることが明らかになった。また、都市の年次報告書の読みやすさのレベルは、平均して大学3年生程度の難易度であることが明らかになった。この結果は、企業会計の先行研究の結果よりも低い数値である。本研究は、公会計の文字情報という対象について、テキスト・マイニングというAIの手法を適用し、世界主要都市の公会計情報の言語的特徴の実態を初めて明らかにしたという意義がある。今後の研究の方向性としては、より多くの都市の年次報告書を取得し、単年度だけでなく時系列データやパネルデータを分析することが考えられる。なお、情報技術の発展に伴い、電子政府が発達し、インターネット上に都市の財務情報がアーカイブ化されており、本研究で分析した言語情報も、徐々にオンラインでアーカイブ化されつつある。公会計は企業会計よりもウェブアーカイブ化が遅れているが、ようやく研究を開始できる段階に達している。そのため、企業会計の研究と同様に、公会計における財務情報や言語情報を総合的に分析することが可能となりつつある。また、財務会計や計算言語学の分野では、リーダビリティに関する実験研究が行われており、今後、公会計の分野でも言語情報を対象とした実験研究が進展することが期待される。
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Research Products
(6 results)